5年漢字音読集 五十音順
保護者の皆様へ
家庭での漢字学習、特に自主学習に使っていただくと効果があると考えています。漢字を覚えることが少し苦手なお子様も、粘り強くせめて3か月は続けさせてみてください。興味の向かないお子様にはご家族が寄り添って、せめて3か月続けてみてください。苦手にしているお子様は、授業の漢字指導だけでは絶対的な学習量が足りないと考えています。家族の協力で繰り返し繰り返しチャレンジしてみてください。家族で楽しく覚え方をマスターできるといいですね。
全国の先生方へ
漢字指導に悩まれている先生も多いことでしょう。ここでは漢字の意味と指導のポイントを載せています。漢字指導の一助になれば幸いです。また、漢字の覚え方を、漢字を分解したり語呂で唱えたりして示しました。私は、この覚え方を漢字音読集を活用した「漢字音読」と称して授業の最初に一斉音読をさせていました。先生がいなくても始めるように指導しました。皆さんも、是非実践してみてください。効果ありです。音読で授業のリズムを作るのです。
五年生の皆さんへ
漢字を覚えるのは楽しいですか?苦しいですか?何でやらんといけんの?なんて思っているんでしょうね。まあ、日本人だから漢字やりましょう。自分の人生で使っていく国語の基礎基本ですからね。でも、どうせやるなら楽しくやりましょう。授業で漢字を教わった後、家庭での自主学習や予習として活用してみてください。3か月は続けてみようね。すぐには結果は出ないかもしれないけれど、必ず君の力になると信じている。さあ、やってみよう!
さて、この「漢字音読集」を活用して漢字は次のように覚えましょう。
「漢字音読集」とは、青い字のアンダーラインの部分です。ここを繰り返し音読します。
①や②は覚え方の例です。覚えやすい方を覚えるといいでしょう。
覚え方は書き順どおりになっています。(ちがう場合はただし書きあり。)
先生方、保護者の皆様、コピー加除訂正等をして、使いやすように加工してください。
がけの形を表した「厂(がんだれ)」と「土」を組み合わせた字。がけは、平らな土地よりも土が厚くなり土が上から下へ押さえつけています。そこから「おさえつける」「おしたおす」「圧力」の意味に使います。
圧 アツ
① 圧力の圧は、 一ノ土、圧力すご~い。
② 圧縮の圧は、 イチノツチ(一ノ土)。
③ 血圧の圧は、 がけノ土見れば血圧180。
圧迫 圧勝 圧政
※ 厂は、がけ。がけは平地がくずれてできるので、筆順は上から「一ノ」
井戸(いど)の形を表した「井(い)」とかこいの形をした「囗(くにがまえ)」を組み合わせた字。「井戸をかこう」ことを表した字。「かこむ」「かこう」「まわり(周囲)」「かぎられた部分(範囲)」という意味に使います。
囲 イ かこ・む かこ・う
① 周囲の囲は、 ふたをしてよこよこたてたてふたとじて、井戸の周囲を囲みます。
② 包囲の囲は、 くにがまえに井。 ※ 書き順注意
雪囲い 囲碁 範囲
イネを表す「禾(のぎ)」と多いを表す「多」を組み合わせた字。昔、政治を行う人は、イネが多く取れるとそれをたくわえておき、イネの取れないときに取れない地方に「移す」ことをしました。ここから「うつす(移動)」という意味に使います。また「変化する(移住)」という意味にも使います。
移 イ うつ・る うつ・す
① 移動の移は、 ノはらの木タタっと移す、ノギタ(禾多)君。
② 移住の移は、 ノギタタ(ノ木タタ)。
移転 移る
ベッドやふとんに人が大の字で安心して寝ている形を表しています。人が安眠できるのは、頼りになることがあるからですよね。「よりどころ」「~による」「原因」「古くからの」という意味に使われます。
因 イン ちな・む ちな・みに
① 原因の因は、 中に大きく国がまえ。 書き順注意。
② 起因の因は、 フタがダイイチ(冂大一)。
勝因 要因
二つの川が合わさって一つの川になって流れる所を表した字。川はどこまでも流れていきたえることがありません。川がながく続くことを表した字です。「ながい」「かぎりがない(とこしえ)」という意味に使います。
永 エイ なが・い
① 永久の永は、 点打って八時よりあげ水を書く。
② 永遠の永は、 点打って水の頭をちょっと曲げ。
永住 永続
【参考】 はねぼうに点打ち水が氷です。
【参考】 「長い」は空間的なものに。「永い」は時間的なものに、使われます。
労働の意味の1~5画の「ツワ」と宮殿の宮の意味の「呂」を組み合わせた字。「力をつくして宮殿をいとなむ」ことを表した字。「仕事をする(営業)」「計画する(営利)」「軍隊のとどまる所(陣営)」という意味に使います。
営 エイ いとな・む
① 経営の営は、 ツーワのクチノクチ(口ノ口)任せ。
② 運営の営は、 ツワクチノクチ(ツワ口ノ口)。
③ 営業の営は、 ツかれたワたしノロノロ営業。
④ ツバメはスワロー、営むはツワロー(ツワ呂)。
営業 営む ※ 「営む」は、よく送り仮名が試されます。「いとな」と「む」。
人がすれ違(ちが)うことを足の形で表した「韋(イ)」と道の形を表した「行(ギョウ)」とを組み合わせた字。「人が行ったり来たりして警戒(ケイカイ)してまもる」ことを表した字。「まもる(防衛)」「まもる人(守衛)」という意味に使います。
衛 エイ
① 衛生の衛は、 ノろイノユーロ、護衛をつける、一ノ十の一丁目 。
② 護衛の衛は、 ノろイノユーロ、一ノ十一丁目。
人工衛星 防衛
【参考】 「韋」のつく漢字には、「違う」「偉い」「緯」などがある。
「違」は、「道をすれ違う」「間違う」という意味に使います。間違い、違反
「偉」は、「常人とは違う人」という意味に使います。偉人
「緯」は、「行ったり来たりして織る横糸」という意味に使います。経緯、緯度、北緯
実は、この「易」はある爬虫類動物の象形文字なのです。体の色を容易く(たやすく)変える動物。「体の色を変えるのはやさしいよ。」と言っている動物?答えはカメレオン。カメレオンの絵をかいて楽しくおぼえよう。「うらない」の意味にも使われます。
易 エキ イ やさ・しい
① 容易の易は、 日ノフノノ、易者は安易に交易す。 ※ フははねてね。
② 貿易の易は、 日ノフノーノ。
易しい 平易 易者
皿の形を表した「皿」の上に横にした「水」という字がのっている形の字。皿の上に水が見えるということは、皿から水が溢(あふ)れていることを意味しています。ここから「ものがあふれるほどある」「もうかる」「得」「ためになる」という意味に使います。「溢れる」という字は「益」に「氵(さんずい)」加えた字です。
益 エキ ヤク
① 利益の益は、 ソの利益、一か八かで皿に盛る。
② 実益の益は、 ソ、イーパーサーラー(ソ一八皿)。
有益 御利益(仏教の言葉で)
腋(わき)の下の意味の「夜」と水の意味の「氵(さんずい)」を組み合わせた字。「わきの下に出る汗」を表した字。今は「水のような状態のもの」という意味に使います。
液 エキ
① 液体の液は、 冷やされてシずかに夜に液になる。
② 血液の液は、 シヨル(シ夜)、シヨルハムニダ。 ※ 韓国語風に読むとおもしろいよ
③ 樹液の液は、 シずかにフタ(亠)りイタはらう。
液化 液状化 水溶液
たくさんの石をつめた袋を飛ばして、大勢の敵をやっつけるしかけの弓を表した「寅(イン)」と水の意味の「氵(さんずい)」を組み合わせた字。石弓を引く「寅(イン)」は、ここでは「水を引く」の意味に使われている。水を田のすみずみに行きわたるようにしますので「広くすみずみまで行きわたる」と言う意味に使われます。
演 エン
① 演奏の演は、 シずかに寅さん演じます。 ※ 「寅」は「とら」と読みます。干支(えと)の「とら」ですね。
② 演技の演は、 シーウーテイ―ヒーパー(氵宀T日八)
講演 公演
この「广」は「广(まだれ)」ではなく心を表す「應」のこと、この字と「心」を組み合わせた字で「心と心が通じ合う」意味を表します。「こたえる」「ふさわしい」の意味に使われます。
応 オウ こた・える
① 応用の応は、 ふた(亠)りノこころ(心)に応じます。
② 対応の応は、 マダレシン(广心)。 まだれの意味ではありませんが、まだれと読ませています。
応じる 応答 臨機応変
行く意味の「彳(ぎょうにんべん)」と、同じく行く意味の「、」と発音を表す「王」を組み合わせた字。「主(シュ)」とは関係はありません。「道を行く」意味を表します。
往 オウ
① 往来の往は、 ノロイの主(あるじ)往復す。
② 往復の往は、 ノロイヌシ。
往路 往信
もとの字は「櫻」。しかし、この字は「さくら」を表した字ではありませんでした。中国には「さくら」がなかったから当然な話。「嬰」は桜貝で作った女性が身につける首飾りのこと。桜貝のような花びらをもった木なので「桜」が作られました。
桜 オウ
① 桜花の桜は、 木のそばでツキ見る女性は桜好き。
② 観桜の桜は、 キーツージョ(木ツ女)。
夜桜 山桜
「口」と「丂(コウ)を組み合わせた字。「丂」は「ものが自然にたれ下がる」意味。「可」は「よろしいと自然に口から出る」意味を表します。「よろしい、よい、できる」の意味で使われます。「可」はとにかく書き順に注意しましょう。「イチロー」が先ですよ。
可 カ
① 可能の可は、 イチロ-(一口)はねぼう可決する。
② 可決の可は、 イチローが、たてぼうはねて許可します。
不可 可燃物
標準線を意味する「一」の下に下向きの足の形を表した「夂」を加えた「反」と人を表した「イ」を組み合わせた字。「下降している人」を表した字です。人が下降することは一時的なものであり、本当のすがたではありません。ここから「一時的」「ほんとうでない(仮病)」「かり(仮説)」という意味に使います。
仮 カ ケ かり
① 仮面の仮は、 イハン(イ反)でしょ、その仮装。
② 仮説の仮は、 イーハン(イ反)。
仮定 仮の住まい 仮名 ※ 「反」の「厂」もがけを表しています。よって書き順は「一ノ」。
「価」は「價(カ)」の略字。「價」はお金の出し入れのことを表します。そうするのは物に値打ちがあるから。それで「價、価」は「値打ち(価値)」の意味に使われました。また「品物のねだん、あたい(価格)」という意味に使います。
価 カ あたい
① 評価の価は、 人、西まっすぐを評価する。
② 物価の価は、 イこう西へまっすぐに 。 ※ 「覀」を、ここでは「まっすぐ西」と読ませています。
③ 価格の価は、 イこう!西に価値がある。
価格 真価 定価
川を表す「氵(さんずい)」と「カ」と発音する「可」を組み合わせた字。今でいう黄河のこと。昔は黄河のことを単に「河」と呼んでいたそうです。「大きな川」の意味に使われます。
河 カ ガ かわ
① 河川の河は、 シまった!可決されたよ、河口の工事。 河川(カセン)と読みます。
② 銀河の河は、 シイチロはねぼう。
運河 大河
過 カ すぎる すごす あやま・つ あやま・る 東書p49 光村p150
水の中に出来る「渦(うず)」の意味の「咼(カ)」と道を進む意味の「之(しんにょう)」を組み合わせた字。「渦(うず)」は水の勢いの強いところに出来ます。「過」は勢いがよすぎて、道をいきすぎる」ことを表した字です。今は「物事の程度をこえる(過大)」「通り過ぎる(通過)」「まちがい、あやまち(過失)」の意味に使われます。
過 カ す・ぎる す・ごす あやま・る あやま・ち
① 過去の過は、 ふたをしてたてよこさらにふたをして、ロシアの道(之)を通過する。
② 過労の過は、 フタタテヨーコ、フタクチドウ(冂|一冂口之)。 ※ ここでは「之」を「どう(道)」と読ませています。琉球民謡のように覚えると面白いね。
通過 過失 過大
決めるという意味の「夬(ケツ)」と心の意味の「忄(りっしんべん)」を組み合わせた字。「決心する」という意味の字。決心するとさわやかな心になります。ここから「こころよい」「非常に速い(快速)」という意味に使います。
快 カイ こころよ・い
① 快晴の快は、 真心(忄=心)のユ快な人は快い。
② 快速の快は、 ハタテボウ、ユジン。
愉快 快い
解 カイ ゲ と・く と・かす と・ける 東書p118 光村p38
子どものころ「牛の角を刀でバラバラにする」と覚えさせられました。でも、それでは書き順どおりではありません。ですから「角までも刀で牛を解体す」と覚えましょう。
解答:問題を解いて答えを出すこと。 回答:質問や要求などに答えること。返答。
解 カイ ゲ と・く と・かす と・ける
① 解答の解は、 角(つの)までも、刀で牛を解体す。
② 解決の解決は、 カクトウギュウ(角刀牛)。
理解 解説
石段が規則正しく並んでいる意味の「各」と「木」を組み合わせた字。木を規則正しく組み合わせて作った格子(こうし)を表した字。「規則(きそく)、基準(きじゅん)(資格)」「正しい(厳格)」という意味に使います。
格 カク
① 資格の格は、 木曜日各地で合格発表だ。
② 格別の格は、 キカク(木各)、キカクハムニダ。 ※ 韓国語のように読むとおもしろいよ。
人格 格式
確 カク たし・かめる たし・か 東書p18 光村p48
かたい意味の「石」と空高く飛ぶ意味の「隺(カク)」を組み合わせた字。「人の心が高くかたいこと」を表した字で「物事がしっかりとしている」意味に使われます。「たしかめる」の意味にも使われます。「確か」はよく読みがためされます。「たし」と「かめる」ですので、「たす(+)かめる」と覚えるとよいでしょう。
確 カク たし・かめる たし・か
① 確実の確は、 かめ石ワ、イテン?Tさん、たす(+)かめる。
この「確」は、送り仮名がよく問われます。ですから、最初に「たす(+)かめる」をもってきました。これは、漢字の部分は「たし」で、それに送り仮名の「かめる」をたすんですよ、という意味です。
② 正確の確は、 石ワらイテンチョー(丁)さん(石ワらイ﹅丁三)。
丁ははねません。「てん」は、右向き・左向き・まっすぐな点、いずれも許容範囲です。
③ 確証の確は、 石ワふるとり(隹)。
確かめる 確定 確信 確認 確保
お客を表す「客(カク)」と顔の形を表した「頁(おおがい)」を組み合わせた字。お客と向かい合って話をするとき額(ひたい)を寄せ合って話すことから、「ひたい」、また「お客の目につく所にかかげる絵や書(額縁)」「人の目につきやすい所(額面)」「額面にかかれている金額を表す数字」の意味に使います。
額 ガク ひたい ひたい
① 金額の額は、 お客さ~ん、大きな貝(頁)が、額に乗ってますよ~。 ※ 落語風に読むと面白いよ。
② 半額の額は、 客一人自分ハ額に汗をして
③ 額縁の額は、 ウカクイチノメハ(ウ各一ノ目ハ)
④ 高額の額は、 キャクにオオガイ(客に頁)
全額 額面 額(訓読み) ※ 「頁(おおがい)」は頭や顔を表します。頭・顔・額
突きさす武器を表した「干(カン)」と刀の意味の「刂(りっとう)」を組み合わせた字。「版木(はんぎ)に刀を突きさしたりけずったりして文字や絵をほること」を表しました。昔は、こうして作った版木で印刷をしました。「書物を出版する」意味に使われます。
刊 カン
① 刊行の刊は、 濡れたので、干すよリっぱに週刊誌。
② 新刊の刊は、 先生、刊ニャ心経読んで!「干リー新刊週刊誌ー、朝刊月刊週刊誌―」
③ 日刊の刊は、 カンリ、カンリハムニダ。 ※ 韓国語のように読むとおもしろいよ。
日刊 夕刊 季刊
もとの字は「榦」。みきにのぼりを付けた1~10画目までの形と「木」を組み合わせた字。のぼりをささえるのが木のみきなので「木の幹(みき)」を表しました。今は「木」ではなく音を表す「干」。「木の幹」「物事の中心となる物」という意味で使われます。
幹 カン みき
① 根幹の幹は、 十分早く屋根(𠆢)に干すなり幹の皮。
② 幹部の幹は、 ジューヒジュー、ヤネにカン。
新幹線 幹事
穴あき銭(穴の開いたお金)にひもを通すことを「貫(カン)」といい、この字は貫(つらぬ)き通す意味があります。この「貫」と心の意味の「忄(りっしんべん)」を組み合わせた字。「貫(つらぬ)き通す心」を表した字。何事でも貫き通せば「なれて」うまく出来るようになるものです。「なれる(習慣)」「ならわし(慣習)」という意味に使います。
慣 カン な・れる な・らす
① 習慣の慣は、 ハらたてて、くフ―ノ一つカイとる習慣。
② 慣習の慣は、 ハボー、くフーノ、イチのカイ。
不慣れ 慣用句
前を見る「見」に対し、後ろを見るのが「艮(コン)」。この「艮」と「目」を組み合わせた字です。「見る働きをもった物としての目、大切な所」の意味に使われます。
「艮」は、「コン、ゴン、うしとら、ねづくり、こんづくり」。「うしとら」は「丑寅(うしとら)」「艮」、午前三時のことです。ここでは、「艮」の最後をはらっているので、「はらうこん」とも読ませています。はらうこんの漢字には、良、根があります。
眼 ガン ゲン まなこ
① 眼球の眼は、 目ヨレヨレでくぼんだ眼。
② 眼科の眼は、 目ヨ、レ-く。
③ 眼球の眼は、 目にはらうこん。
方眼紙 眼帯 眼力
糸口から糸を引き出した「己(キ)」と「糸」を組み合わせた字。「己」が「おのれ」という意味に使われるようになって、本来糸口を表す字として「糸」を加えて「紀」としました。糸口は糸の初めの所ですから「初め」の意味に使われます。また「物事のもととなるもの(綱紀)」「百年ごとにくくる(世紀)」「記と同じ意味(紀行文)」に使われます。
紀 キ のり
① 風紀の紀は、 いと(糸)長き己(おのれ)の書いた紀行文。
② 紀行の紀は、 イトオノレ(糸己)。
③ 紀要の紀は、 イトコシ(糸コし)。
紀元 二十世紀 ※ 「二十世紀」の本来の読みは「にじっせいき」。許容で「にじゅっせいき」。
穀物の殻と実を振り分ける道具を「箕(み)」と言いますが、「箕」の昔の字は「其(キ)」。形が四角なので、四角い形をしたものを表すのに「其」を使います(旗、碁)。「基」は「其」と「土」を組み合わせた字。「四角形の土地、家を建てるための土台」を表します。 今は「物事のより所となるもの」「もと」という意味に使います。
基 キ もと もとい
① 基本の基は、 サけ二本、一つハ土へ。基本です。
② 基地の基は、 サル二匹、一か八かの土俵際。
③ 基礎の基は、 サ二イーパードー(サ二一八土)。
基点 基調 基金
めずらしいという意味の「奇(キ)」と家を表す「宀(うかんむり)」を組み合わせた字。「めずらしい家」ということで「家に人がよりつく」という意味を表しました。「人が身をよせる(寄宿)」「物をよせる・おくる(寄贈)」「立ちよる(寄港)」の意味に使われます。
寄 キ よ・る よ・せる
① 寄付の寄は、 ウルトラマンは大きい可?円谷(つぶらや)プロに寄ってみよう。
② 寄宿の寄は、 ウーダイカ(ウ大可)。
寄生虫 寄進
コンパスの形をした「夫」と「見」を組み合わせた字。「円をえがく道具」という意味。円をえがくのにどうしても必要なものなので「人間にどうしても必要なきまり」という意味に使われます。
規 キ
① 規定の規は、 夫見る規範意識の規則集。
② 定規の規は、 二人で見ている例規集。
③ 規律の規は、 オットミール(夫見)。
新規 規約 規格
神様のお供え物をのせる「豆(トウ)」に十分なお供え物が乗った形と「口」を組み合わせた字。お供え物はあとで下げて人々の口に入りますのでみんなは喜びます。この字は「士+口+ソ+一+口」で覚えましょう。
喜 キ よろこ・ぶ
① 喜劇の喜は、 大吉だあ!ソうイチローは喜んだ。
② 喜色の喜は、 サムライがローソク一口かじってる。ボキッ。
③ 喜劇の喜は、 シーロソイチロー。
悲喜こもごも 喜色満面 一喜一憂 「士」が「土」にならないように。「シー」は「士」です。
支える「支」の「又」は手を表します。手の先でやじろべえを支えている様子をイメージしてください。それが支える。それに手を表す「扌(てへん)」がついた字です。「ものごとをよくコントロールできる手」「すぐれた手」「わざ」を意味します。
技 ギ
① 競技の技は、 てへん(扌)で支える見事な技術。
② 技能の技は、 てへんにジューまた(扌十又)
匠(たくみ)の技 技巧 技術
「善」や「美」の意味の「羊」と自分という意味の「我」を組み合わせた字。「我(自分)を、美しくよい人にする道」という意味の字。「正義の道(義務)」「言葉の正しい意味(語義)」「かかわりはないけれどもご縁があって一族となった人のこと(義父、義母)」「本当ではない足や手など(義足、義手)」の意味に使います。
義 ギ
① 義理の義は、 ソの王や我は正義の味方なり。
② 講義の義は、 ソの王ノのばしたテ(扌)にはめしノつぶ。 ※ 最後の三画を「めしノつぶ」と読ませています。
③ 定義の義は、 ソオウガ(ソ王我)。
意義 義務 道義
人がさかさになった形を表した「屰(ゲキ)」と道を進むことを表した「之」を組み合わせた字。さかさの方向に進むことを表しました。「さからう」「さかさ」「反対」の意味に使われます。
逆 ギャク さか さか・らう
① 逆転の逆は、 ソの一つはこ(凵)を背負ってノ道(之)ゆく。
② 逆風の逆は、 ソイチ、はこ(凵)ノ道。
逆立ち 逆上がり
こしのまがった老人が、足を引きずるようにして、歩いている姿を表した形を表した字。「時間が長くかかる」ことを表した字。「長い、永い、ひさしい」「長い間」「長く続く」という意味に使います。
久 キュウ ク ひさ・しい
① 永久の永は、 クをはらい久しぶりだね、おっかさん。
② 久遠の久は、 クるしみを右にはらって久しぶり。 ※ 久遠(くおん)
③ 永久の久は、 クマがさかで久しぶり。
持久走 久しい
「日」のわきに長く線を引いた形の字。「日が長いことたった」という意味を表します。「久しく日や時間がたって、古くなる」「古い」「昔の」という意味に使います。
旧 キュウ
① 旧式の旧は、 1日で新旧交代、早すぎ、ル~。
② 旧道の旧は、 イチニーチ(1日)。
旧友 旧暦
手にぶきをもっててきを打つ意味を表した「攵(のぶん)」と求める意味の「求(キュウ)」を組み合わせた字。てきにおそわれてたすけを求めたので、求めにおうじててきを打ってすくうことを表しました。「すくう、たすける」という意味に使います。
救 キュウ すく・う
① 救出の救は、 よこ一に、ターテンクーテンノブンで救う。
② 救援の救は、 イー、ターテンくーテン(求)ケーハラウー(攵) ※ 中国語風に読むとおもしろいよ。
③ 救急の救は、 キュウノブン(求攵)。
救命 救助 救急車
人がいすにこしかけている形を表した「尸(しかばね)」と音を表す「古(キョ)」を組み合わせた字。「人がすわっている」ことを表した字。「人がすわっている」「いる」「すむ」という意味に使います。
居 キョ い・る
① 住居の居は、 コノ古い家に転居のオボエタロウ。
② 居間の居は、 コノこ(古)。
③ 転居の居は、 コノフール(古)。
新居 居留守 居住
「言(ごんべん)」と午後の「午」を組み合わせた字。「午」は十二支(じゅうにし)の七番目の「午(うま)」のこと。1日の七番目の時間は「正午」。「正午」を境に、前が「午前」跡が「午後」。また、「午」はもちをつく「午(きね)」の意味もある。「午(うま)」と区別するために今は「杵(きね)」。「杵(きね)を振り下ろしてもいいよと言ってゆるす」のが「許」。
杵と言っても、中国の杵は、両側から二人で持つ形のものらしいです。半分ずつで正午の午になったのかもしれません。
許 キョ ゆる・す
① 許可の許は、 言ってね、きね(午)振りおろす許可の声。
② 特許の許は、 ごんべんにノイチジュー(ノ一十)。
③ 許容の許は、 ごんべんに午後の午。
免許 許す 特許
「音と儿(人)」は人が音楽を演奏し終えることを表します。これに「土」を組み合わせました。「土地が終わる所」「土地のさかい」「場所」「状態」などの意味に使われます。
境 キョウ ケイ さかい
① 境界の境は、 土に立ち見る境目を。
② 国境の境は、 ツチオトハシール(土音儿)。 ※ 「儿(にんにょう、ひとあし)」を「はしる」と読ませています。
境港 心境 境目
興 キョウ コウ おこ・す おこ・る 東書p49 光村p106
「興」から「同」を抜いた形は四つの手の形を表します。この字と「同」を組み合わせた字です。「多くの人が心を同じにして、手を働かせて仕事をする」ことを表しました。そうすれば、成功して仕事が盛んになるところから「盛んになる(興隆)」「盛んにする(振興)」また「おもしろい(興味)」の意味に使われます。
興 キョウ コウ おこ・す おこ・る
① 興味の興は、 くニ同じ、ヨに出て一人ハ興奮す。
② 余興の興は、 く二は同じ ※ ヨのたてぼうは少し出します。
振興 復興
弦楽器の弦を調律する所の形を表した「匀(キン)」と「土」を組み合わせた字。音をととのえる調律のように土地の高い所と低い所を平らにならす」ことを表した字。今は土地にかぎらず「平らにならす(平均)」「つりあいを取る(均整)」という意味に使います。
※ 皆さんは土をならす「トンボ」と言われている道具を知っていますか?「均」の4画目を「トンボ」、5画目を「人と人の手」、6・7画目を「トンボがあっちに行ったりこっちに来たりしている形、というように見立ててみてください。どうでしょう、本当にそのように見えてきますよね。このように覚える方がよく理解できるかもしれませんね。
均 キン なら・す
① 平均の均は、 その土ノ、フキンを均すよ平均に。
② 均等の均は、 土ノの上(え)の、フン均等に均します。
③ 均整の均は、 ツチノフキン(土ノフキン)。
100円均一 均質 均等
禁 キン 東書p55 光村p147
神へのお供え物を乗せる台を表し「神」の意味を表した「示(ジ)」と「林(はやし)」を組み合わせた字。「たくさんの木におおわれた神様のお社」という意味の字。そこでは自分勝手なことをしてはいけませんし、行いをつつしむところです。この字は「してはいけない」「つつしむ」という意味に使われます。
禁 キン
① 禁煙の禁は、 林に示す、立ち入り禁止!
② 禁漁の禁は、 禁止事項、林君に示します。
禁制 厳禁
句 ク 東書p23 光村p66
言葉の意味の「口」を包んだ「勹(つつみがまえ)」形。ひとまとまりの言葉、ひと口で言える言葉を表します。文章の区切りの意味にも。句点。
句 ク
① 俳句の句は、 ノんきにフロで一句読む。
② 句集の句は、 ノーフーロ。
句読点 語句 句集
木型のわくを表した1~4画目と刀を表した「刂(りっとう)」と「土」を組み合わせた字。「土で作った鋳型(いがた)、土型」を表します。「もとになる形」「手本」という意味に使います。
型 ケイ かた
① 新型の型は、 この鳥居(1~4画目)リっぱな土で型がいい。
② 小型の型は、 鳥居(1~4画目)をリード(土)。
③ 中型の型は、 ケイド(刑土)。
大型 典型的 俳句の定型五七五
織機(ショッキ、はたおり)のたて糸を表す「圣」と「糸」を組み合わせた字。たて糸が基本、だから地図や地球儀のたての線が経線(横は緯線)。横糸をとおして布がつくられ生活が営まれるようになるので経営、経済。だんだんに布ができていく様子から経過。時間が経(た)つ、時間が経(へ)る。
経 ケイ た・つ へ・る
① 経済の経は、 経済は、糸にヌる土、経験し。 ただし八画目ははらう
② 経度の経は、 糸にマタツチ(又土)。
経営 経線
潔 ケツ いさぎよ・い 東書p65 光村p43
神にお祈りをするときにそなえる糸を表した「契(ケイ)」と清い水を表した「氵」を組み合わせた字。「潔(いさぎよ)く清らかな心」「すっきりしている様子」を意味します。
潔 ケツ いさぎよ・い
① 清潔の潔は、 シろ色の十二の刀に糸のくず、不潔!
② 潔白の潔は、 シジューニかたないと(シ十二刀糸)。
高潔 潔白
「人」と「牛」を組み合わせた字で「人が牛を引く」ことを表しました。人が牛を引く姿は目立つことだったので、「目立ったこと」という意味で使われます。「大事なこと」「事」「事がら」の意味にも使われます。
件 ケン
① 条件の件は、 イー牛が条件だ。
② 事件の件は、 イーウシ(イー牛)。
要件 件数
屋根を表す「𠆢一」と「口」と「人」の組み合わせは「家の中で人が話し合い選ばれた意見」を表します。「阝(こざとへん)」はがけを表す。人々が話し合って険しいがけを選んだのです。今では「険しい」「あぶない」「きつく、とげとげしい」などの意味に使われます。
険 ケン けわ・しい
① 冒険の険は、 ハタ(阝)のヤネ、イチロ行くヒト険しいぞ。 ※ 「こざとへん」を「はた」と読ませています。
② 危険の険は、 こざとへん、ヤネに一人のロシア人。
保険 険悪
人々の意見をよく調べて正しい意見を選ぶことを表した5~12画目と文字を書いた木の札を表した「木」を組み合わせた字。「多くの文章を調べて正しい事実を選び出すこと」を表しました。「調べる」という意味に使われます。
検 ケン
① 検査の検は、 木を合わせ、人検査する、オボエタロウ。
③ 検定の検は、 キゴウジン(木合人)。
点検 検定
【参考】 「探検」は、危険を伴いますので「探険」と書きたくなりますが 、未知の世界に入りこんで探り調べるのが「探検」ですので、木へんの「探検」と書きます。
「退(しりぞ)く」意味の「艮(コン)」とがけを表す「阝(こざとへん)」を組み合わせた字。「がけのきわまでしりぞく」意味ですが、これ以上はしりぞけませんので「かぎること」「ここまでというさかい、日、時」の意味に使います。
限 ゲン かぎ・る かぎ・り
① 限界の限は、 はた(阝)ヨレてくたびれ果てて限界だ。
② 期限の限は、 コザトヘンにハラウコン。
制限 限定
【参考】 注:艮は、「こんづくり、ねづくり、こん、うしとら」。
ここでは、退の「艮」は6画目を止めているので「とめるこん」。
限の「艮」は6画目をはらっているので「はらうこん」とも読ませている。
「阝」の形にはこざとへんとおおざとがある。画数は三画。
左にあれば「こざとへん」 成り立ちは「阜」。「丘」の意味。 限、防、降、除、険 など
右にあれば「おおざと」 成り立ちは「邑」。「村」の意味。 都、郷、郡、部、郊 など
現 ゲン あらわ・れる あらわ・す 東書p18 光村p57
「王」は王様ではなく本来は「玉」、この字と「見」を組み合わせた字。「玉」は暗い所でもよく「見」えますよね。「よく見える」「あらわれる」「今」「実際に」という意味に使われます。
現 ゲン あらわ・れる あらわ・す
② 出現の現は、 王を見たくて現れる。
③ 表現の現は、 オーケン(王見)。 おうへんの王は、もとは玉。
実現 現在
鉞(まさかり)の形を表した「戊(ボ)」と「口」と長く川の流れが続く意味の「氵(さんずい)」を組み合わせた字。まさかりを打ち下ろすときのかけ声が長く続きますと力がしだいにおとろえます。「力がしだいにおとろえること(減退)」「数量がへること(減少)」「数量をへらす(減量)」意味に使われます。
減 ゲン へ・る
① 減点の減は、 さんずいに、ノイチご一口めしノつぶ。
② 減少の減は、 シノイチイチローめしノつぶ。
湯加減 増減
古びたものを表す「古(コ)」と手にぼうをもった形を表した「攵(のぶん)」を組み合わせた字。「古くなって役に立たなくなったものをぼうでたたいてこわす」ことを表した字。「こわす」「こわれる」「古い」「わけ(何故、なにゆえ)」「わざとする(故意)」という意味に使います。
故 コ ゆえ
① 故郷の故は、 古いケを、はらうよ君の故郷でさ。やめろや!
② 故意の故は、 コノブン(古攵)
③ 故人の故は、 コケハラウー(古ケハラウー)
事故 故国 温故知新
個 コ 東書p19 光村p111
かたまりの意味の「固(コ)」と人の意味の「イ(にんべん)」を組み合わせた字。「独立したひとりの人」を表しました。今では「物を数える」のに使っています。
個 コ
① 個人の個は、 イーふた古いが一個あり。
② 個別の個は、 イーね固い石一個。
個室 個数
みみずくの形を表した「萑(スイ)」と手の形を表した「又」と「言」を組み合わせた字。「みみずくを取ろうとしている人に、取ってはいけないよと言ってかばうこと」を表した字です。「まもってやる」意味に使われます。
護 ゴ まも・る
① 愛護の護は、 イ(言)うけどサ、イーテンチョウサン(隹)、マタ(又)保護してる。
② 救護の護は、 言うけどサ、ふるとり(隹)を又保護しよう。
③ 護衛の護は、 ゲンサ、フルトリマータ(言サ隹又)。
養護 弁護士
交わるという意味を表す「交(コウ)」と努力する意味の「力」を組み合わせた字。「交わろうと努力する」ことを表した字。今では「ききめがある」「きく」という意味に使われます。
効 コウ き・く
① 効果の効は、 ムッツのメヂカラ効果あり。
② 有効の効は、 六メカ(六メ力)。
よく効く薬 効力
「厂」は、がんだれ。土地がくずれてがけができるので、書き順は「イチノ(一ノ)」。鳥の雁(ガン)の略字が「厂」、ですから、がんだれ。ただし「雁」の部首は「隹(ふるとり)」。小学校で習う部首ががんだれの字は、「原(2ねん)」と「厚(5年)」の二文字。がけの「厂」と「高」をさかさまにした字を組み合わせた字。高いがけを表しています。高いがけは土が厚く積み重なっていますよね。
厚 コウ あつ・い
① 厚意の厚は、 がけの日かげの子厚着。
② 厚生の厚は、 一ノ日の子。
③ 厚着の厚は、 がんだれ!日の子。
厚い心 厚紙
土をほりおこす道具である耡(すき)を表した「耒(すき)」と田の形をあらわした「井(イ)」を組み合わせた字。「すきを使って田んぼをたがやす」ことを表した字。「たがやす」「仕事」という意味に使います。
耕 コウ たがや・す
① 耕地の耕は、 二つの木でよこよこたてたて耕すぜ。
② 農耕の耕は、 耕そうぜ、ニッキイー!(二木井)。
耕作 晴耕雨読
ふねを表す「舟」と抵抗することを表した「亢(コウ)」を組み合わせた字。「川の流れに抵抗しながらも舟を進める」ことを表しました。今は「船を進めること」「飛行機を進めること」の意味に使われます。
航 コウ
① 航路の航は、 小さき舟ふたりがノッて航海す。
② 航海の航は、 ノノーフはねててんたてはねる、ふたノせて。
③ 航行の航は、 ふねコウ(舟亢)。
航空写真 出航
金属の「金」と広い意味の「広」を組み合わせた字。「広い意味での金属」を表します。石炭も炭鉱と言います。
鉱 コウ
① 鉱物の鉱は、 鉱山に金は広く埋(う)まってる。
② 金鉱の鉱は、 かねひろ。
③ 鉱石の鉱は、 キンコウ。
銀鉱 鉄鉱石
「木」と「冓(コウ)」を組み合わせた字。「冓」は、材木を組み合わせた形です。「組み立てる、構える、構う」の意味に使われます。「冓」は井戸の「井」と再(ふたた)びの「再」と覚えればいいでしょう。
構 コウ かま・う かま・える
① 構想の構は、 木かげでサ、一つ再び構えます。
② 構図の構は、 キサはイッサイ。(木サは一再)。
③ 構造の構は、 キイサイ(木井再)。
構成
材木を組み合わせ組み立てた形の「冓(コウ)」と言葉の意味の「言(ごんべん)」を組み合わせた字。「言葉を組み立てる」という意味の言葉。「組み立てられた語、説明(講話)」「よく考えて適切な処理を行う(講じる)」また「仲よくする(講話)」という意味に使います。
講 コウ
① 講義の講は、 言うサ二回、ふたたてぼう(ー)に(二)、講義する。
② 講習の講は、 言(ごんべん)にサ一再び。
③ 講話の講は、 ゲンサんニ、フタタテーニ(言サん二、冂|二)。
講演 大学の講堂 講師
昔は、大事なことは神に「牛」をささげてから人々に告(つ)げました。「牛」とつげる、知らせるの意味の「口」を組み合わせた字です。「告げる」「知らせる」の意味に使われます。
告 コク つ・げる
① 告知の告は、 「ノー、ドローはいやや」と告げました。
② 広告の告は、 ノドグロ(ノ土ぐロ)。
③ 告白の告は、 ノドグチ(ノ土口)。
告げる
混 コン ま・じる ま・ざる ま・ぜる こ・む 東書p47 光村p146
日中、人々が歩いている姿を表した「昆」と川の水を表した「氵(さんずい)」を組み合わせた字。川の水が入り混じることを表した字ですが、今は水に関係なく、「人や物が入りまじる」意味に使われます。
混 コン ま・じる ま・ざる ま・ぜる こ・む
① 混雑の混は、 シずかな日、比べて混ぜる色絵具。
② 混同の混は、 シーニチヒーヒー。 ※ 中国語風に読むと楽しいよ。
混合 混乱 混雑
【参考】 基本的に、まじって区別できなくなるのが「混じる」。
まじっても区別できるのが「交じる」。
紙の代わりの木の札を表す「木」と物を積み重ねた形の「且」を組み合わせた字。「たくさん積み重ねた文書を調べること」を意味ししました。「調べる」という意味に使われます。
査 サ
① 調査の査は、 古い木を月に一回調査する。
② 検査の査は、 キメダース(木且)。 ※ 目を出してね。
③ 査定の査は、 キカツ(木且)、キカツハムニダ。
審査 探査 捜査
物をのせる台の形を表した字です。台というのは、物を取り去っても「ふたたび」物をのせますよね。そこから「ふたたび」という意味に使われます。
再 サイ ふたた・び
① 再会の再は、 一つふた(冂)、たて1(❘)よこに(二)再挑戦。
② 再建の再は、 イチにドウ、カマエてタテーニ。 ※ タテーニ(|二、土の書き順ではない) 「冂」の形は、部首名で「けいがまえ、どうがまえ」と言う。ここでは「ドウ」と読ませています。
再生 再来週
曲がりくねった川の形を表した「巛(セン)」と「火」を組み合わせた字。昔、わざわいをこうむる大きなものは「洪水」と「火事」でした。ここから「巛」と「火」を組み合わせ「わざわい」という意味を表しました。今はいろいろな「わざわい」の意味に使います。
災 サイ わざわ・い
① 火災の災は、 くくく火。
② 防災の災も、 くくく火。
災害 災い ※ 「くくく」は洪水、「火」は火事。
針を表す「十」と手を表す2~4画目と「女」を組み合わせた字。「針を持つ女」を表しました。針仕事をする家庭の主婦、つまり、「つま」の意味に使われます。
妻 サイ つま
① 夫妻の妻は、 妻の字は、ヨコイチヨを出しタテイチジョ(一ヨを出し1女)。
② 妻子の妻は、 ヒトヨ出るタテイチジョ(一夜出る縦1女)。 ※ 女の書き順は「クノ一」 女の忍者を「クノ一」と言います。
妻 愛妻
手の意味の「扌(てへん)」と同じく手の意味の「爫」と「木」を組み合わせた字。「木の実をとる」意味の「采(サイ)」にさらに「扌(てへん)」がついた形。取ると同じく「とる」と読みますが、「つみとる」「選びとる」「とりいれる」という意味に使われます。
採 サイ と・る
① 採用の採は、 手ノツキ指が痛いよう。野菜が採れんよう。
② 採択の採は、 テノツキ(扌ノツ木)。
昆虫採集 採点
人が神様と交わるのはお祭りの時だけ、その交わるの意味の「祭」と崖(がけ)を表す「阝(こざとへん)」を組み合わせた字。「崖と崖が交わる所→さかいめ(水際)」「果て(際限)」「すぐそば(壁際)」「交わる(交際)」の意味に使われます。
際 サイ きわ
① 国際の際は、 はた(阝)ふって、月又示す国際人。
② 交際の際は、 はたつきまたジ(阝月又示)。 ※ こざとへん阝は、ここでははたとも読ませています。
③ 際限の際は、 こざとへん、つきまたしめーす。
際立つ 実際
地中の種がわずかに根をのばし芽を出した形を表した「才(サイ)」と「土」を組み合わせた字。「土の上にわずかではあるがあること」を表しました。「存在する意味のある」という意味に使います。
在 ザイ あ・る
① 存在の在は、 ナエ1本土に植えてよ、オボエタロウ。
② 在学の在は、 一つイー土。
所在 現在 滞在 在住
※ 土の中の芽がちょっと地面から顔を出した形
三画目ちょっと出します。種と思ってください。
種から上に芽が、下に根がのびます。
お金の意味の「貝(カイ)」と将来大きな働きをする力がひそんでいる意味の「才(サイ)」を組み合わせた字。「大きな仕事するためのもとでのお金」を表した字で「資金」「資産」の意味で使われます。
財 ザイ
① 財政の財は、 桜貝見つける才能財産だ。
② 財力の財は、 カイサイ(貝才)。
文化財 財産
非行を表す「非」と鳥や魚をとる網(あみ)を表した「罒(モウ)」を組み合わせた字。「非行の人をとらえて罰すること」を表した字です。「悪い行い」の意味で使われます。
罪 ザイ つみ
① 無罪の罪は、 あみかけてノーサンタテサン無罪です。
② 謝罪の罪は、 アミヒ (罒非)。 ※ 「罒」は「あみがしら、あみ」「四」と書かない!
有罪 罪人
てきをころすぶきを投げる意味の「殳(るまた)」と切りたおす木に×じるしをつける意味を表した1~6画目を組み合わせた字。「木を切りたおすように人をころす」ことを表した字。 「ころす(殺害)」「なくす、けす(抹殺、相殺(そうさい))」という意味に使います。
殺 サツ サイ セツ
① 殺人の殺は、 しめ(〆)ころす木にノって又しめ殺す。こわいよ~。
② 必殺の殺は、 メ木ルマタ(殳)。 ※ 殳はルマタ
殺意 殺虫剤
多い数を表した「九」と「木」と鳥の形を表した「隹(ふるとり)」を組み合わせた字。隹(ふるとり)」と「木」で「集」ですよね。そこで「雑」は「多くのものを集める」「いろいろなものがまじる」「ごたごたしている」という意味に使われます。
雑 ザツ ゾウ
① 混雑の雑は、 九つの木にふるとりの雑木かな。
② 雑音の雑は、 クキのふるとり。
雑巾 雑木林
【参考】 隹は、イーテンチョウサン(イ﹅丁三)と覚えよう。
程度が高い、進んでいることを表す「夋(シュン)」と酒を表す「酉(ユウ)」を組み合わせた字。「発酵(はっこう)が進んだ酒、つまり酢(す)」を表しました。「酢(す)」「すっぱい」「つらい、くるしい」「酸性の物質」の意味に使います。
酸 サン す・い
① 酸素の酸は、 干支(えと)の酉(とり)、ムハいノとりをヌいて勝つ。酸素くれ!
② 酸性の酸は、 ニシイー、ムハナツアーシ。 ※ 「イー」は「酉」に入っている「一」、「ハ」は曲げてね。
酸化 二酸化炭素
頭にかんむりをのせた成人の意味の「夫」二人と、お金の意味を表した「貝(カイ)」を組み合わせた字。「二人の男がお金をたよりして助け合っている(賛助)」意味に使われます。また、「ほめる(称賛)」意味にも使われます。
賛 サン
① 賛成の賛は、 おっと、夫が貝拾う?賛成!。
② 絶賛の賛は、 オットオットカイ(夫夫貝)。
賛同 賛辞
数のはじめの「一」と終わりの「十」を組み合わせた字。「一から十までよく知っている人」という意味で「よく学問にはげむ人、学問をおさめた人(学士)」「役所につとめる人(士官)」「りっぱな人(紳士)」「たんに人(兵士)」の意味に使われます。
士 シ
① 兵士の士は、 十一人の士。
② 同士の士は、 ジュウイチ。 ※ 土にしないでね。
運転士 力士
数の多い意味を表した「十」と手の意味を表した「又」とを組み合わせた字。「たくさんの物を一点でささえる」ということで「ささえる(支持)」という意味に使います。また「助ける(支援)」「分かれる(支流)」意味にも使われます。
支 シ ささ・える
② 支持の支は、 十人でまた(又)支えよう、支店長。
② 支局の支は、 ジュウにまた(十又)。 ※ 「支」は、一点で支える、または、一点から分かれること
支離滅裂 支点
もともとは中正な立場で物事を書く「史(ふびと)」の意味。中正を意味する「中」と手を表す「又」を組み合わせた字。「えこひいきなく、中正な立場で出来事を書いたもの」の意味に使われます。
史 シ ふみ
① 歴史の史は、 ロシア人ちょっと出ている歴史の本。
② 史実の史は、 ロシア人ちょっと出~る。
日本史 世界史
りっぱな男性を表す「士」と心を表す「心」を組み合わせた字。「立派な男になろうと心に決めること」を表しました。「こころざし」「こころざすこと」の意味に使われます。
志 シ こころざ・す こころざし
① 志望の志は、 十一人心からの志。
② 志願の志は、 十一の心。 ※ 十一歳の頃の志が大切ですよ。
③ 意志の志は、 士(さむらい)の心。
志 志す 少年よ、大志を抱け
一つのものからたくさんのものが分かれるという意味の「支(シ)」と「木」を組み合わせた字。木のみきからたくさん分かれ出た「木のえだ」という意味に使います。
枝 シ えだ
① 枝葉の枝は、 木をまさにしっかり支える枝や枝。
② 枝豆の枝は、 キシ(木支)。
③ 枝道の枝は、 キジューマタ。
枝葉末節 小枝 枝を折る
がけの形を表した1~6画目と「シ」という音を表す「帀」を組み合わせた字。軍隊はがけを利用して陣をとります。軍隊の「隊」の「阝(こざとへん)」もがけを表しています。「軍師」も初めは「軍隊」の意味でしたが、のちに「軍の作戦を立てる人」に変わりました。ここから「教える人(教師)」という意味に使います。
師 シ
① 講師の師は、 ノにたてて、ココで一本かさ(巾)さす教師。
② 医師の師は、 ノタテココ一本がさ。
漁師 教師
「次」という字とお金を表す「貝」を組み合わせた字。「お金(貝)の次に大切なもの」の意味で、「資本、物資」などを表します。「元手(もとで)」「材料」「もとになるもの(資格)」という意味で使われます。
資 シ
① 資料の資は、 次の貝の資料を見せて。
② 資本の資は、 ツギカイ(次貝)。
資産 資金 資格
「つかさどる、とりあつかう」いみの「司(シ)」と「食」を組み合わせた字。「食べ物をつかさどる、人間が動物に食べ物を与えて育てる」ことを表した字。「動物を飼(か)う」という意味に使います。
飼 シ か・う
① 飼育の飼は、 しょくへんに、フーゥッと一口飼いならす。
② 飼料の飼は、 しょくへんにツカサドール(司)。
飼い主 放し飼い ※ 「食」がしょくへんになると、「飠」の形になります。
神様にお供えをする物をのせる台の形を表した字です。「神様の考えをしめしてもらう」ことを表しました。今は単に「しめす」意味に使われます。
示 シ ジ しめ・す
① 指示の示は、 指示受ける〇〇第二小学校。 ※ 〇〇には自分の学校の名前を入れるといいね。
② 暗示の示は、 二つ小さな指示を出す。
③ 掲示の示は、 二小。
表示 例示 手本を示す
人がくわを持って働いている形を表した「以」と人を表した「イ(にんべん)」を組み合わせた字。「レ」はくわの形。人がならんでくわを使っている姿はとても良く似ていますよね。「にる」「にせる」の意味に使われます。
似 ジ にる
② 類似の似は、 イレソテン。
② 似るの似も、 イレソテン。 ※ 「以上の以」は「レソテン」。ただし、レは二画で。
似合う 似顔絵
口から出る言葉の意味の「音」としるしの意味の「弋(しきがまえ)」との組み合わせで「戠(ショク)」。これに「言(ごんべん)」をつけて、意味のある言葉を言う「物知り」の意味に使われます。「よく知っている(博識)」「はっきりわかる(認識)」「知識」の意味に使われます。
識 シキ
① 知識の識は、 言うならば、音を伸ばしてめしノつぶ。
② 認識の識は、 ゲンオンにめしノつぶ(言音に戈の一を除いた形)。
識別 意識 標識 見識
【参考】「(め)しのつぶ」は「(め)しノ﹅」「戈の一を除いた形」。何回も出てきます。覚えてね。
「戈」は、「ほこ、ほこづくり、ほこがまえ」と言います。
「弋」は「しきがまえ、よく」と言います。「式」の「弋」ですね。
物を切る斧(おの)を表した「斤」二つと「貝」を組み合わせた字。「貝」を二つに斧で割り、貝の中身を確かめることを表した字です。「中身(実質、本質)」「確かめる(質問、質疑)」「約束の補償として預けておくもの(質屋)この場合は「シチ」と読む。」の意味に使われます。「斤」は「キン、おのづくり、はかリ」。
質 シツ しち
① 物質の質は、 ノケノケー、貝の質が落ちるよ~。
② 水質の質は、 キンキン(斤)の貝。
品質 質問
大きな家を表した字です。「役所や学校の建物」を表しました。
舎 シャ
① 校舎の舎は、 田舎(いなか)のヤネは土だロー。
② 庁舎の舎は、 ヤネキチ。 ※ 「𠆢」は、「ひとやね、やね」。
宿舎 駅舎 官舎
【参考】 熟字訓の読みを二つ 田舎 舎人(昔、皇族や貴族に仕えた役人)
矢を発射する意味の「射(シャ)」と言葉の意味の「言(ごんべん)」を組みわせた字。「ことばを発する」意味を表します。「お礼の言葉を言う(感謝)」「おわびの言葉を言う(謝罪)」「ことわりの言葉を言う(謝絶)」「代わる(代謝)」の意味に使われます。
謝 シャ あやま・る
① 感謝の謝は、 感謝言う身長一寸法師かな。
② 謝礼の謝は、 ゲンシンスン(言身寸)
謝辞 謝意
【参考】 「感謝」の中国語は「謝謝(シェシェ)」
授 ジュ さず・ける さず・かる 東書p252 光村p166
物を受け取る(さずかる)ことを表した「受(ジュ)」に「扌(てへん」を組み合わせた字。「受(ジュ)」は「受ける(さずかる)」意味にも「さずける」意味にも使われていましたが、区別したほうが分かりやすいということで、「受」の「扌」を加えて「さずける」専用の字としました。「さずける」という意味に使われます。
授 ジュ さず・ける さず・かる
① 授業の授は、 テヘンノツーワマタ授けるよ。
② 伝授の授は、 テにウける(扌に受ける)。
③ 授与の授は、 テジュ(扌受)。
授賞 教授 卒業証書授与式 ※ 「授賞」の反対は「受賞」
修 シュウ シュ おさ・める おさ・まる 東書p117 光村p43
人の背中を洗い流す「攸(ユウ)」と美しいという意味の「彡」を組み合わせた字。「背中のあかを洗い流して体を美しく整える」「こわれた機械をなおして使えるように整える」「学問や技芸をおさめて立派な人になる」などの意味に使われます。のぶんは「攵」。 ぼくにょう、ぼくづくり、とも。「彡」はさんづくり。
修 シュウ シュ おさ・める おさ・まる
① 修理の修は、 イタテのぶん、ノーノーノー。
② 修行の修は、 イタテのぶんに、さんづくり。
修飾 修繕 修了式
「ジュツ」という発音を表した「朮(ジュツ朮)」と道を進んでいくことを表した「之(しんにょう)」を組み合わせた字。「道を進んでいく、物事がうまく進行する」ということを表した字。今では、「思っていることをうまく説明する、のべる」という意味に使います。
述 ジュツ の・べる
① 述語の述は、 ホーテンの道(しんにょうのこと)。
② 記述の述は、 ホーテンシンニョー(朮之)。 ※ 中国語のように読むといいよ。
前述 後述
術 ジュツ すべ 東書p152 光村p40
「行」は十字路の交差点の意味。イメージしてね。この「行」の間に、「ことば」を意味する「朮(ジュツ)」が入りました。今は「術」は「道、必要な方法や技」の意味に使われています。
楽しくおぼえられるように「彳(ぎょうにんべん)」を「ノろイ」と読ませています。また「朮(ジュツ)」を「ホーテン」と読ませています。
術 ジュツ すべ
① 手術の術は、 ノろイのホーテン一丁目。
② 芸術の術は、 ギョウ(行)にはさまるホーテンさん、抜け出る術(すべ)なし。 ※書き順注意
美術 技術
速くすばやく飛ぶ「隼(はやぶさ)」と水の「シ」を組み合わせた字。水もすばやく水平に戻ります。「水平であるかどうかを測る道具(水準器)」「物を測るもと(基準)」「基準に従う」「あとに従う(準優勝)」などの意味に使われます。「隹(ふるとり)」は、書き順どおり「イーテンチョウサン(イ、丁三)」と読ませています。ここでは、「シ」と合わせて「シらイのテンチョウサン」と読ませています。
準 ジュン
① 準備の準は、 シらイのテンチョウさん、十分間で準備する。 弾むように読むと楽しいよ。
② 基準の準は、 シッ、ふるとりジュー(シ隹十)。
標準 水準
片方があいている広い家の形の「广(まだれ)」と「まえもって、あらかじめ」の意味の「予」を組み合わせた字。広い家の奥の間に行くには、はじめに通らないといけない広間があります。その広間を表した字。「はじめ」「順序」という意味に使われます。
序 ジョ
① 順序の序は、 フタりノる?マア、順序を守ってね。
② 序幕の序は、 まだれマア。
序文 年功序列
手を意味する「扌(てへん)」と、「召(め)す、よびよせる」意味の「召」を組みませた字。「まねく(招待)」「おいで下さい」という意味に使われます。
招 ショウ まね・く
① 招待の招は、 手(扌)刀で口を切ったる招き猫
② 招集の招は、 てへんにかたなくち(扌刀口)
オリンピックを招致する 手招き 招き猫
【参考】
招集 一般的 人を招き集めること 運動会の招集係
召集 限定的・命令的 国として集めること 召集礼状 国会を召集する ※ 地方議会は招集
言うという意味の「言(ごんべん)」と正しい意味の「正(セイ)」を組み合わせた字。「これは正しいと言ってあかしを立てること」を表した字。「あかしを立てる」「あかし」の意味に使われます。
証 ショウ あかし
① 証拠の証は、 言うよ、正しい証拠をね。
② 証人の証は、 ゲンセイ(言正)。
卒業証書 証明
三つ前の「像」でも書きましたが、昔中国には象がいたんだね。神聖な動物で漢字にも使われのでしょう。「象」は象形文字。「ク」が鼻と顔、二つの窓のような形が耳、パオパオと読んでね。そしてブタやイノシシを表す「豕(いのこ、いのこへん)の一をのぞいた字」は「イノノく」と覚えよう。これも象形文字。「イ」が頭と胴体としっぽ。「ノノく」が四本の足。絵を描いて楽しくおぼえよう。
「象」は、ゾウの象形。形、ありのままの姿や形。「像」は、人や動物の形に使われる。実際にかたどったもの。
象 ショウ ゾウ
① 印象の象は、 はなかお(ク)パオパオ(3~6画、耳の形)イノノくゾウ(象)。
② 気象の象は、 クワたてとめてイノノくゾウ(象)。
現象 対象 具象 抽象 ※ 熟語の読みが難しければ、うすくふりがなをふっておくといいよ。
「尚+貝」。「尚」には「りっぱな家だとほめる」意味があるそうです。「貝」は「お金」。そこから、「りっぱな行いをほめてほうびのお金」を表した字です。間違えやすいのは3画目までの筆順。「ツ」ではなく「小の2・3画目を内によせた形。しょうがしら、なおがしら」ですので、まん中のたての画が1画目になります。
賞 ショウ
① 入賞の賞は、 1人ソワソワ口に貝、賞金賞状もらおうよ。
② 金賞の賞は、 イチ(1)ソ、ワローカイ(貝)。
③ 銀賞の賞は、 ショウワのクチカイ。
賞品 銅賞
足の裏の形を表し足の意味の「夂(ふゆがしら)」と「木(きへん)」を組み合わせた字。「木の足」という意味で「木の根の一すじ一すじ」を表しました。「すじ」「すじ状のもの」「文章の行」の意味に使われます。
条 ジョウ
① 条件の条は、 クをはらう木が条件だ。
② 条文の条は、 クばらい木。
③ 条例の条は、 冬がしらに木。
か条書き 条約
形の意味の「象」と同じ発音の「爿」と「犬」を組み合わせた字。「爿(ショウ)」は今は簡略化された「たてぼうとンの形」。もとは犬の形を表していましたが、今は「物の形」で、形状、球状。「物事のようす」で、状態、状況、病状、症状。「言い表す」の意味で、白状。「書き表したもの」の意味で、書状、礼状、賞状、年賀状。
状 ジョウ
① 現状の状は、 電柱(|)に、ションベンをする犬状態。
② 状態の状は、 ターテンの犬。 3画目までを、たてぼうとンで「ターテン」と読ませています。
症状 病状
同じ音の「上(ジョウ)」と意味を借りた「尚(ジョウ)」と布(ぬの)を表した「巾」を組み合わせた字。服の上に腰に巻き付けた布、つまり「スカート」を表しました。このスカートがふだん着だったので、「ふだん」「つね」「あたりまえ」「かわらない」の意味に使われるようになりました。
常 ジョウ つね とこ
① 非常の常は、 1年生ソワそわロシアのカサほしい。
② 常識の常は、 しょうがしら、ワローキン(小ワ口巾)。
常体 平常
心を表す「忄(りっしんべん)」と清らかさを表す「青」を組み合わせた字。清らかな心という意味です。ここでは「忄(りっしんべん)」を書き順どおりに「ハボウ(ハ❘)」また意味から「真心(まごころ)」とも読ませています。
情 ジョウ なさ・け
① 感情の情は、 ハにたてぼう、青に情けの風情(ふぜい)あり
② 同情の情は、 りっしんべん、アオ!
情熱 心情
印の音を表す「戠(ショク)」と「糸」を組み合わせた字。「しるしのつけられた糸」を意味を表します。しるしをつけられた糸は織(お)られて布になりますので「織(お)る」という意味に使われます。また「組み立てる」という意味にも使われます。
織 シキ ショク お・る
① 組織の織は、 糸の音、めしノつぶとる組織かな。 ※ 16~18画を「めしノつぶ」と読ませています。
② 染織の織は、 イトヘンに、オトをのばして、めしノつぶ
手織り 布を織る
しるしの意味の「戈(ほこ)」と「音」でしるしの音、つまりことばという意味の「戠(ショク)」と「耳」を組み合わせた字。「ことばを耳に入れる」こと、つまり「人々の話す言葉をよく耳で聞き分けて処理する役所の仕事」を表しました。今は単に「仕事」の意味で使います。
職 ショク
① 職場の職は、 耳に、おっと(音)めしノつぶ。 ※ 最後の三画を「めしノつぶ」と読ませています。
② 職人の職は、 耳音のめしノつぶ。 ※ 音の5画目はのばしてね。
職員室 職業
枝がたくさんのびすぎたことを表した1~6画目と切る意味の「刂(りっとう)」を組み合わせた字。「のびすぎた枝を切って生長をおさえてほどよくする」ことを表した字。「切る(制作)」「おさえる(節制)」「ほどよくするためのきまり(制度)」という意味に使われます。
制 セイ
① 制止の制は、 ノニカサ(巾)をリっぱ立てる制度です。
② 制度の制は、 ノニキンリー(ノ二巾リ)
制限 先制点
生まれるという意味の「生」と心を表す「忄(りっしんべん)」を組み合わせた字。 「生まれたときの心」「生まれつき」「物の性質」「男性女性の性」の意味に使われます。
ここでは、「忄(りっしんべん)」を「まごころ」と読ませています。
性 セイ ショウ
② 女性の性も、 真心(忄)に生きる性格春の風。
共通性 性別 性格
手にむちを持ち教える意味を表した「攵(のぶん)」と正しいを意味する「正」を組み合わせた字。「人々を教えみちびき、世の中を正しく治めるための仕事」の「まつりごと」を表しましたが、今は「政治」という意味に使われます。
政 セイ ショウ まつりごと
① 政治の政は、 正しいノ、ブンに誓って政治する。
② 政策の政は、 正しいノ、一つはらうよ左右。
③ 行政の政は、 セイノブン(正攵)。
政見放送 政権 財政
人が土いじりをしている意味の「埶(ゲイ)」と「力」を組み合わせた字。人が土いじりに力を入れると草木のいきおいがよくなりますよね。「いきおい(攻勢)」「ようす(時勢)」「人数(大勢)」の意味に使われます。
勢 セイ いきお・い
① 勢力の勢は、 土ハ土丸力の勢い。
② 大勢の勢は、 ツチハツチマルリョク(土ハ土丸力)。
情勢 優勢
この「勢」の覚え方は、子どもたちにとても人気がありました。
清(きよ)めるという意味の「青(セイ)」と「米」を組み合わせた字。「白くした米、精米」を表した字。今は「念入り(精選)」「すぐれたもの(精鋭)」「根気がよい(精勤)」「くわしい(精巧)」という意味に使います。
精 セイ ショウ
① 精神の精は、 米作り青き心の精神で。 ※ 青には清らかという意味もあるんですよ。
② 精密の精は、 米に青。
精米 精度
切ってほどよく整える意味の「制(セイ)」と衣服の「衣(ころも)」を組み合わせた字。「布を切って衣服をつくる(製造)」ことを表した字です。「物を作る」の意味に使われます。
製 セイ
① 製作の製は、 ノニカサさして、リっぱな衣服日本製。
② 製鉄の製は、 ノニカサリーイー製作す。
中国製 製造
【参考】
製作の製は、実用的 一般的 道具を使って作る場合
制作の制は、独創的 芸術的 例:卒業制作
着物を脱ぐ(着ているものを取りのぞく)意味の「兌(ダ)」と稲の意味の「禾(のぎへん)」を組み合わせた字。昔は、税として納める稲を取り入れた稲の中から取りのぞいて別にしておきました。今はお金で納めますよね。「税金」という意味で使われます。
税 ゼイ
① 税金の税は、 ノんキソうな兄さんも税金納めたゼイ。
② 課税の税は、 ノんキソうなお兄さん。
③ 国税の税は、 ノギソアーニー(禾ソ兄)。
納税の義務 消費税 所得税
とげのある木を表した「朿(セキ)」が変化した1~4画目とお金の意味の「貝」を組み合わせた字。「かした金を返せとせめること」を表しました。「義務をはたせと言ってとがめること」「当然はたすべき義務」という意味に使います。
責 セキ せ・める
① 責任の責は、 十二の貝を責めるなよ。
② 重責の責は、 ジュウニカイ(十二貝)。
自責の念 責める
まゆから糸を取り出す意味の「糸」と責めるいみの「責」を組み合わせた字。昔は「まゆから糸を取り出しよりをかけて紡(つむ)ぐことがとても大切な仕事」でした。次から次に責め立てられるように紡(つむ)ぐ様子を表した字です。今は「仕事」「仕事の成果」の意味に使われます。
績 セキ
① 成績の績は、 いとへんに十二の貝を繰り返そう。
② 実績の績は、 イトジュウニカイ。
功績 業績
立ちはたらく女の人の意味の「妾(ショウ)」と「扌(てへん)」を組み合わせた字。「手にふれる(接触)」「手と物をつながる、つぐ(接続)」「近づく(接近)」「もてなす(接待」の意味を表します。
接 セツ つ・ぐ
① 直接の接は、 てへんに立つジョ(女)。
② 接着の接は、 テ、リツジョ。
接近 接続
仕事や役目の意味の「殳(るまた)」と「言」を組み合わせた字。「仕事を言いつけること」を表しました。「仕事の手配をすること」「設けるという意味に使われます。
設 セツ もう・ける
① 設備の設は、 言おうルマタ(殳)に設置せよ。
② 建設の設は、 ゲンルマタ(言殳)。
設ける 設定 ※ 訓読みの「もうける」はよく試験に出ます。
絶 ゼツ た・える た・やす た・つ 東書p23 光村p26
もとの字は「絕」(糸+刀+巴)。この字では「巴」は人を意味しています。その人が刀で糸を断(た)つという意味の字です。今は「色」になっていますし、「糸」に関係なく使っています。断つ、絶える、かけはなれて優れている意味に使います。
絶 ゼツ た・える た・やす た・つ
① 絶対の絶は、 糸にクフーし、たてよこし。
② 絶好の絶は、 イトイロ(糸色)。
絶景 絶体絶命(体も命も絶体絶命とおぼえよう。絶対絶命は×)
神様の意味に使われる「ネ(しめすへん)」と物が積み重なる意味の「且(カツ)」を組み合わせた字。何代も何代も積み重なる「先祖」のことを表しました。「ネ(しめすへん)」は、神様に供えるものを置く台「示」→神様の意味。
祖 ソ
① 祖先の祖は、 しめすへん、目の下でぇる先祖様。
② 祖父の祖は、 ネ目デール。
祖母 祖父母
「生」のもとの字の「龶」と「糸」を組み合わせた字。「生糸(きいと)」を表した字です。織物のもとは「生糸(きいと)」です。「もと」「ありのまま、かざらない(素直)」「ふだん(平素)」の意味に使います。
素 ソ ス
① 酸素の素は、 十二本、糸を素直に並べます。
② 質素の素は、 ジュウニイト(十二糸)。
素直 素材
公明正大の「公」と「心」と「糸」を組み合わせた字。糸へんには、(糸が)もつれないように一つに「まとめる」という意味があります。「組織や集団を一つにまとめる」という意味に使われます。
総 ソウ
① 総理の総は、 糸ハム心の総理かな。
② 総合の総は、 糸へんにハム心。 ※ そう言えば昔からこう言われていましたね。
総数 総画数
牛を犠牲(ぎせい)にしてささげ、祈りの言葉を告げる「告」と進むという意味の「之」を組み合わせた字。「大きな建物を造る」という意味があります。「建物を造る」「大きなものを造る」意味に使います。
造 ゾウ つく・る
① 造花の造は、 ノの土で登山の口に道造る。
② 創造の造は、 告げる道。
③ 木造の造は、 ノドグチの道。
造形活動 荷造り 建造物
像 ゾウ 光p20
この字は、人を表すイ(にんべん)に、「かたどる」を意味する「象」を組み合わせた字です。「象」は四年生で習ったよね。昔、中国には耳の大きい象がいたんだね。神聖なたっとい動物で漢字にも使われのだと思われます。「象」は象形文字。「ク」が鼻と顔、二つの窓のような形が耳、そしてブタやイノシシを表す「豕(いのこ、いのこへん)の一をのぞいた字」は「イノノく」と覚えよう。「イノノく」はよく出てきます。
この字は次のように覚えましょう。青い字のアンダーラインの部分を繰り返し音読します。①や②は覚え方の例です。覚えやすい方を覚えるといいでしょう。覚え方は書き順どおりになっています。以下この部分は省略します。
像 ゾウ
① 想像の像は、 イーゾウ(象)。
② 画像の像は、 にんべん(イ)に、はなかお(ク)パオパオ(耳、窓の形の所)イノノく(豕、ただし一はのぞく)よ。
銅像 肖像 石像
増 ゾウ ふ・える ふ・やす ま・す 東書p31 光村p155
食べ物をむす道具のせいろうを積み重ねた形を表し、積み重ねる意味を表した「曽(ソウ)」と「土」を組み合わせた字。「土の上に土をいくえにも積み重ねること」を表します。今は「加えること」「ます」「ふやす」という意味に使われます。
増 ゾウ ふ・える ふ・やす ま・す
① 増加の増は、 ツチ(土)変よ。ソの田を見る日増やそうよ。
② 増量の増は、 土曜日のソれ田に日差し増す田植え。
③ 増減の増は、 ツチソタヒ(土ソ田日)。
建て増し 増水 倍増
【参考】 木曽の曽は、ソタヒ(ソ田日)
増加の増は、ツチソタヒ
僧侶の僧は、イーソタヒ
憎悪の憎は、ハタテボーソタヒ、または、リッシンベンソタヒ
財産の意味の「貝」と切り分ける意味の「刂(りっとう)」を組み合わせた字。「財産を切り分ける」という意味の字。財産を分けるときには「きまり」にしたがって分けないと争いのもとになります。「きまり」という意味に使います。
則 ソク
① 規則の則は、 貝リっぱ規則正しい貝の殻。
② 法則の則は、 カイリー(貝リ)。
原則 反則
【熟語】 規則:二人で見ている貝リっぱ 二人ミルカイリー
漢字 学年 覚え方 意味 代表的な熟語
則 5 カイリー きまりのこと 規則、原則
測 5 シーカイリー いろんなものをはかる 測定、予測
側 4 イーカイリー そば、わき 側面、側近(そっきん)
惻 中一 ハボ(ー)カイリー おもう、過去を思う 追憶、記憶
※ 「ハボ」は「ハボー、ハタテボー」。「忄(りっしんべん)」の書き順は「ハタテボー」です。
はかる基準の意味の「則」と水を表す「氵(さんずい)」を組み合わせた字。「水の深さをはかる」ことを表しました。今は水に限らず、「深さ、広さ、長さ、高さ、温度」などをはかることに使います。「心でおしはかる(推測)」意味にも使います。
測 ソク はか・る
① 測定の測は、 シってるカイ?リっぱに測る測量士。
② 推測の測は、 シーカイリー(氵貝刂)。 ※ 中国語風に読むと楽しいよ。
観測 計測 憶測
【参考 はかる】
測る…深さ、長さ、広さ、温度などを測る。
計る…数、時間、程度を計る。
量る…重さ、容積を量る。
中国の最初の帝国は「夏(カ)」の王は「禹(ウ)」。この「禹」と人を表す「尸」を組み合わせた字。えらい王には人がつきしたがっていきますよね。「つきしたがう」「いっしょの仲間」の意味に使われます。
属 ゾク
① 付属の属は、 コノノロいフタしてムしを追い払う。
② 所属の属は、 しかばね(尸)ノ、口にフタして、最後にム。 フタ(冂)ははねます。
配属 金属
飛んでいる鳥が引っかかるように仕組んだ網(あみ)の形を表した字。ひっぱってあみをはりますので「ひっぱる」という意味を表します。「ひっぱる」「人をひきいる(引率)」また「全体から見たわりあい(百分率)」という意味に使います。
率 ソツ リツ ひき・いる
① 引率の率は、 ふた(亠)りくム(幺)テンテンテンテン(ンノ丶)十回引率。
② 倍率の率は、 フタくムテンくむジュー(亠幺ンくむ十)
打率 確率
【参考】 両側(上下)から濡れた糸を引っ張る形。
中央の「テンくむ」(ンノ丶)は飛び散るしずくを表しています。
八・九画目の「く」は離します。
このように覚える方が分かりやすいかもしれませんね。
損 ソン そこ・なう そこ・ねる 東書p127 光村p211
円(まる)い形を表した「口」とお金の意味を表した「貝」を組み合わせた「員」は、「円」のもとの字でお金の意味です。「損」は「お金に手をつける」ことを表した字。「お金がへる」「そんをする」「そこなう」「そこねる」という意味に使います。
損 ソン そこ・なう そこ・ねる
① 損失の損は、 その手(扌)口貝損なうぞ!損するぞ!
② 損害の損は、 テグチカイ(扌口貝)。
③ 破損の損は、 テロカイ(扌口貝)。
損得 損傷 損害賠償
代わるの意味の「代(タイ)」と、お金の意味の「貝(カイ)」を組み合わせた字。お金のない人に代わってお金を払ってやること、つまり「お金をかす」意味に使われます。
貸 タイ か・す
① 賃貸の貸は、 代わりの貝を貸しますよ。
② 貸与の貸は、 イ(イ)ーイ(一)ーレイテンカイ。 ※ 中国語のように読むと楽しいよ。
貸し出し 貸借
可能を表す「能」と「心」を組み合わせた字。これはできると思うと、その思いは「姿」や「ふるまい」にあらわれるものです。「すがた」「ふるまい」「態度」の意味に使われます。
態 タイ
① 態度の態は、 ム月ヒヒ心。 ※ ただし、漢字のヒは右から左へ。かたかなのヒは左から右上へ。
② 事態の態は、 ノーシン(能心)。
実態 状態
※ 熊は、「ム月ヒヒテンシ(灬)」あるいは、「ム月ヒヒれっか(れんが)」、能は、「ム月ヒヒ」
円い形を表した「口」と長さの基準でよりどころという意味の「寸(スン)」を組み合わせた字。「しっかりとしたよりどころがあって一つにまるくまとまったもの」を表した字。「まるいもの(団子)」「まとまり」「集団」という意味に使います。
団 ダン トン
① 団地の団は、 くにがまえ、一寸法師が寝る布団。 ※ 書き順注意
② 団体の団は、 フタ十点しっかりトメール(冂十丶一)。
③ 団結の団は、 ホッチキス、ジッテンイチ(冂十丶一)。
集団 お団子 合唱団
もとの字は「斷」。1~7画目は糸がバラバラになった形を表します。これとおのの意味の「斤」を組み合わせた字。「糸をばらばらにたち切ること」「きっぱりとたつこと」「はっきりと決めること」「はっきりと断ること」などの意味に使われます。
断 ダン た・つ ことわ・る
① 判断の断は、 コメール(L)、ノッケる?お断り。
② 無断の断は、 米エル(L)、ノノティー(T)。
断面 断定
竹で打ち鳴らすを表した「筑(チク)」と「木」を組み合わせた字。「筑(チク)」を打ち鳴らすように「木で地面をつき鳴らす」ことを表した字。家をたてるとき、その土地をかためるために木でついて地固めをしますよね。この地固めのことを「木でつく」→「木づく」と言いました。「土台をつくる」「家を建てる」「きずく」意味に使われます。
築 チク きず・く
① 建築の築は、 竹に変エ、ボン(凡)までに木で築く城。
② 改築の築は、 タケエにボンキ(竹エに凡木)。
新築 生活を築く
お金の意味の「貝」と糸をまいてしまっておく道具の形を表した「宁(チョ)」を組み合わせた字。「お金をしまっておく」ことを表した字。「お金をためる(貯金)」「ためる(貯水)」意味に使います。
貯 チョ た・める
① 貯金の貯は、 貝タめてウチョウ天だよ、この貯金。
② 貯蔵の貯は、 カイウチョウ(貝ウ丁)。
③ 貯蓄の貯は、 カイウーティー(貝ウT)。
貯水池
弓の形を表した「弓」と長いを表した「長」を組み合わせた字。「弓に長いつるを張ること」を表しました。弓を張ると弓がぴんとひきしまります。そこから「気がはる(緊張)」また「ひろげる(拡張)」「大きくする(伸張)」の意味に使われます。
張 チョウ は・る
① 出張の張は、 弓長く張る弓長君。
② 主張の張は、 ユミナガ(弓長)。
張る 見張り
旅人がとまる宿屋を表す「亭」と人を表す「イ」を組み合わせた字。「人が宿屋にとまる」「とまる」「やめる」ことを意味します。「亭」の「丁」、「高」の「口」をのぞいた部分は、高い建物の形を表しています。「高」の古い字は「髙」ですが、昔の(めぐらせた城壁にたっている)高い建物をイメージすると分かりやすいと思います。ここでは「亠(なべぶた)」を「ふた」、「口」を「とうふ」とも読ませています。
停 テイ
① 停止の停は、 イーフタにとうふ(口)ワ一丁停車して。
② 停車の停は、 イーフータロー、ワチョー(イ亠口ワ丁)。
停留所 停電
日の運行のように正しいという意味の「是(ゼ)」と手を表す「扌(てへん」を組み合わせた字。「正しくりっぱなものを手にする」という意味を表しました。今は「たずさえる(手提げ)」「さしだす(提出)」という意味に使われます。
提 テイ さ・げる
① 提示の提は、 手(扌)の平やお日様いつも正しいよ。
② 提案の提は、 手(扌)で日光、正しくはらって提供す。
③ 提出の提は、 テーゼ(扌是)。
提出 提供
心に思っていることを外に出す意味の「呈(テイ)」と稲の形の「禾(のぎへん)」を組み合わせた字。「外に表された稲のすがた」つまり「稲の生長のどあい、ていど、ほどあい」を表した字です。今は、「ものごとの進行のていど」「物事の中身のていど」の意味に使われます。
程 テイ ほど
① 課程の程は、 ノギグチ(禾口)の王様曰(いわ)く、「過程が大事や!」。
② 日程の程は、 ノギグチオウ(禾口王)。
程度 行程
皇帝の「帝」と「口」で「皇帝の命令」を表した「啇(テキ)」に、道を表す「之(しんにょう)」を組み合わせた字。「皇帝の命令だから目的通りに進む」→「うまく行く、かなう」の意味に使われます。
ここでは、「亠(なべぶた)」を「ふた」、「冂(どうがまえ、けいがまえ)」を「ふた」とも読ませています。また「しんにょう」は、活字の関係で「之」になっています。皆さんは、「、フフへ」の形で書いてね。しんにょうは3画ですよ。
適 テキ
① 適切の適は、 ふた(亠)りはソッとフタ(冂)をして古い道(之)を歩きます。
② 適度の適は、 フタのソコどうかまえても古い道(之)。
適当 快適
人が成人してりっぱになる意味を表した「充(ジュウ)」と「糸」を組み合わせた字。「ほそい糸を一つにまとめて太いりっぱな糸にすること」を表した字。「一つにまとめる(統一)」「ひと続きになっているもの(系統)」の意味に使います。
統 トウ す・べる
① 統計の統は、 糸ぼうし(亠)ムしして走る(儿)大統領 。
② 伝統の統は、 イトジュウ(糸充)。
③ 統一の統は、 糸フタム、ヒトアーシ(糸亠ム儿)。
統合 統計 統率
ていどが高くりっぱという意味の「高尚(コウショウ)」を表す「尚(ショウ)」と「土」を組み合わせた字。ここでは「尚」はりっぱな家を表しています。「堂」は「高くもりあげた土の上にたつりっぱな家(本堂)」という意味に使います。また「りっぱなようす(堂々)」という意味にも使います。
堂 ドウ
① 堂々の堂は、 チイ(小)さいワ、出口が土のお堂では。
② 食堂の堂は、 ショウワのロード(小ワのロー土)。
③ 殿堂の堂は、 ショー、ワクチんドー(小、ワ口ん土)。 ※ 「ショー、ワクチんドー」は、沖縄の歌のように覚えると楽しいよ。
本堂 正々堂々 公会堂
三画目までの「小(ショウ)」を、中央真上に書くときは、「|ソ(たてそ)(たていちそ)」の形、書き順で。
しょうがしら。なおがしら、とも読みます。
金属の意味の「金」と同じという意味の「同」を組み合わせた字。金よりも赤みがあるけれども、金に一番良くにた金属ということで「銅」と言いました。
金:黄金(こがね、オウゴン) 銀:白金(しろがね) 銅:赤金(あかがね)、赤銅(シャクドウ) 鉄:黒金(くろがね)
銅 ドウ
① 銅像の銅は、 かね(金)に同。
② 銅線の銅は、 キンドー(金同)。
金銀銅 銅貨
道の意味の「道(ドウ)」と物事の基準の意味の「寸(スン)」を組み合わせた字。「よりどころとなる基準をもとにみちびき教える」ことを表した字。「みちびく、教える(指導)」また「伝える(伝導)」という意味に使います。
導 ドウ みちび・く
① 指導の導は、 この道だ!一寸法師を導くぞ!
② 導入の導は、 ミチにスン(道に寸)。
③ 導くって、ドウスンねん。
導火線 勝利に導く
金の意味の「貝」が変化した「旦(タン)」と手の意味の「寸(スン)」と行く意味の「彳(ぎょうにんべん)」を組み合わせた字。出かけて行ってお金を手に入れる意味です。「える、手に入れる」「もうける」「心にえる」の意味に使われます。
得 トク え・る う・る
① 得点の得は、 ノろイの日ちょっと(一寸)得して得意顔。
② 得意の得は、 ノろイの日、一寸(いっすん)。
得失点 説得
生きる意味の「生」と「母」という字を組み合わせた字。「死にかかっている母親を生きかえらせるほど強いききめのある薬、劇薬」を表した字。劇薬は飲みすぎると生命に危険があります。そこから「体に悪いもの」のことを「毒」というようになりました。「毒」「人の心をきずつける悪口(毒舌)」という意味に使います。
毒 ドク
① 消毒の毒は、 十二時に母の消毒、コロナ菌。
② 毒薬の毒は、 ジャジャジャジャーン。十二時に母(毋)が毒盛るミステリー。
有毒 食中毒
もとの字は「獨」。「蜀(ショク)」という虫を表した「虫」と犬を表した「犭(けものへん)」を組み合わせた字。蜀はまゆの中にひとりでいます、犬もたくさんの羊の群れをひとりで守っています。それで、組み合わせて「ひとり」という意味を表しました。また「自分だけ(独善)」「ただ一つ(単独)」の意味にも使われます。
独 ドク ひと・り
① 独自の独は、 イーノ虫は独りでも。
② 独特の独は、 イノ虫。
③ 独立の独は、 けものへんに虫。
独善的 独立独歩 独学
【意味】 独立独歩 独立して(一人で)、他の人に頼らないで自分の力で何かを行うこと。
独善的 自分一人で正しいと思っていること 独りよがり
唯我独尊 自分一人が尊いと思うこと。「あの人は唯我独尊で感じが悪い。」などと使います。
妊娠(にんしん)しておなかの大きな人の形を表した「壬(ニン)」と「イ(にんべん)」を組み合わせた字。妊娠(にんしん)は女の人に任せられた人としての大切な「役目」です。「大切な役目」「「役目につく」「任せる」という意味に使います。
任 ニン まか・す まか・せる
① 担任の任は、 イーノ、さむらい(士)に任せるの。
② 任命の任は、 イノシー(イノ士)。
信任 責任
燃 ネン も・える も・やす も・す 東書p171 光村p229
「犬」と肉の意味の「月(にくづき)」と「火」を組み合わせた字。「火をもやして犬の肉をやく」ことを表した字。「火をもやす」「もえる」という意味に使います。
燃 ネン も・える も・やす も・す
① 燃費の燃は、 火と月に犬が吠(ほ)えます。ワンワンワンワン!(灬)。
② 燃料の燃は、 カゲツケンテンシ(火月犬灬)。
燃料 可燃物
【参考】 五画から八画の「月」は「にくづき(肉)」です。字を少しななめにします。
「灬」は「れんが・れっか」ここでは「てんし」と読ませています。
火の上で、肉が焼かれているんですね。犬かどうかは分かりませんが。
「カゲツケンテンシ!」とかっこよくおぼえてください。
もとはこの字が「熊(くま)」という字でした。熊の力は「能力」と言い、「たいそう強い力」でした。この「たいそう強い力」を能力というようになりました。能力はどんなことでもできます。今は「物事をなしとげる力」「強い力」「できる」という意味に使われます。
能 ノウ
① 能力の能は、 ム月ヒヒ。
② 本能の能も、 ム月ヒヒ。
無能 才能 可能
【参考】 もとはこの字が「熊」。熊の力は強い → 能力 「できる」という意味に。
「ム月ヒヒ」は「能」。「ム月ヒヒテンシ」は「熊」。「ム月ヒヒ心」は「態」。
【固有種が教えてくれること 自然環境を守るために】
石が当たって皮が破れることを表した字。「やぶれる、こわれる」の意味で使われます。
破 ハ やぶ・る やぶ・れる
① 破産の破は、 石投げて皮を破るよ石破君。
② 読破の破は、 いしかわ~(石皮)。
型破り 破る
犬の形を表した「犭(けものへん)」と人の形を表した4~5画目を組み合わせた字。「犬が人におそいかかる」ことを表した字。「きまりや道徳にそむく」「つみをおかす」という意味に使います。
犯 ハン おか・す
① 犯罪の犯は、 イノししのフしぎな動き、犯人やあ!
② 犯人の犯は、 イノフし。
犯行 防犯
半分を表す「半」と刀で切ることを表した「刂(りっとう)」を組み合わせた字で「わりふ」を表します。「わりふ」とは、重大な約束の文書を二つに切り分けそれを互いに所持して後日の証拠としたもの。のちに「わりふ」に代わって印章が作られましたが、これを「印判」とか「判子」というようになりました。「はっきりさせる」「見分ける」の意味に使われます。
判 ハン バン
① 裁判の判は、 半分リっぱな判決だ。
② 評判の判は、 ハンリ(半リ)。
③ 小判の判は、 ハンリー判事。
批判 判定 判断
「木」という字の右半分を表した「片(かたへん)」と板の意味の「反」を組み合わせた字。「板を小さく切ったもの」で「昔、印刷につかった版木(はんぎ)」を表した字。「印刷をして書物を作る(出版)」「人口や土地を記録した帳簿(ちょうぼ)(版図(はんと))」という意味に使われます。
版 ハン
① 図版の版は、 ノぶた(亠)君フと一ノ又出版社。
② 版画の版は、 カタハン(片反)
初版 再版
人がならんですわっている姿を表した字です。人がならんですわっていると、たいていくらべるものです。「くらべる」「ならぶ」意味に使われます。
比 ヒ くら・べる
① 比例の比は、 ヒとヒを比べる。
② 対比の比は、 ヒヒ。
③ 比重の比は、 一レノし
比較 背比べ 比重 ※ 一画目:左から右 三画目:右から左
肥 ヒ こ・える こえ こ・やす 東書p145 光村p85
肥(こ)えた人を表した「巴」と体の意味の「月(にくづき)」を組み合わせた字。「体や土地が肥えている」意味に使われます。
肥 ヒ こ・える こえ こ・やす
① 肥料の肥は、 月にフるたてしよこしの肥料かな。
② 肥大の肥は、 にくづきさんとともえさん。
追肥 肥満
【参考】 「巴」は、「ともえ」と読みます。水の渦巻きのような形。
柔道の技の「巴投げ」、相撲の「巴戦」、「三つ巴」などに使う。パリは「巴里」と書く。
鳥のつばさの形を表しました。つばさは左右反対に開きますので「反対」の意味に使われます。また、「・・・でない。(非常)」「よくない(非行)」「そしる(非難)」の意味にも使われます。
非 ヒ
① 非行の非は、 ノー三たて三、非常識。
② 非礼の非は、 ノーサンたてサン。
非公式 非売品
二本のぼうに糸がからまった形でもつれを取り払う意味の「弗(フツ)」とお金の意味の「貝」を組み合わせた字。「何かをしたり何かを買ったりするときにしはらうお金」を表した字。「しはらうお金(費用)」「お金を使う(消費)」という意味に使います。
費 ヒ つい・やす つい・える
① 会費の費は、 ユミナガ君、ほタテ二つのカイ消費。
② 旅費の費は、 ユミ、タテタテカーイ。
消費 費用
人を表す「イ」と人がよろいを着たすがたを表した右側のつくりの部分を組み合わせた字。「人がよろいを着て敵にそらえること」「前もって用意しておくこと」「そなえ」という意味に使われます。
備 ビ そな・える そな・わる
① 整備の備は、 イザ、一つノ用事すませて準備。
② 備蓄の備は、 イサイチノヨウ(イサ一ノ用)。
備える 備品
「公平」の意味の「平(ヘイ)」と言う意味の「言(ゲン)」を組み合わせた字。「公平に言う」という意味を表し、「公平に論ずる」「世間の多くの人々の論(評判)」の意味に使われます。
評 ヒョウ
① 評価の評は、 言うならば、みな平等に評価せよ。
② 不評の評は、 イうタイラ(言う平)。
③ 好評の評は、 ゲンペイ(言平)。
評判 定評 評定
分ける意味の「分」とお金の意味の「貝」を組み合わせた字。「お金を分ける」ことを表した字。お金を分けるとお金が少なくなりますよね。そこから「まずしい(貧乏)」「物が少ない、物事にとぼしい(貧血、貧弱)」という意味に使われます。
貧 ヒン ビン まず・しい
① 貧乏の貧は、 分けあって貝食べるなり貧しくも。
② 貧民の貧は、 ブンカイ(分貝)。
貧しい 清貧に生きる
「敷き布(しきふ)」を表した字。今は「敷(し)く(布陣)」という意味、また「布(ぬの)」という意味に使われます。
布 フ ぬの
① 毛布の布は、 ノに一つかさ(巾)は布製破れ傘。
② 分布の布は、 ノーイーキン(ノー一ー巾)。
③ 布団の布は、 ノイチ(ノ一)ごのハバ(巾)。
配布 布地 布目
「箒(ほうき)」の本字であり、箒を手にした形を表した「帚(ほうき)」と「女」を組み合わせた字。「箒を手にした女」という意味で「家の働き手の女の人」を表しました。「一家の主婦(妻)」「大人の女性」という意味に使います。
婦 フ
① 夫婦の婦は、 くノ一のヨワったかさ(巾)は婦人用。
② 主婦の婦は、 女性ヨうワこのカサ(巾)よ。
③ 新婦の婦は、 ジョヨワーキン(女ヨワ巾)。
婦人服 妊婦 夫婦(熟字訓で)
武器や戦(いくさ)を表した「戈(ほこづくり)」と止める意味の「止」を組み合わせた字。「戦(いくさ)を止める」意味です。戦を止めさせるのは「強力な武器」「強大な武力」という意味に使われます。武器の武に、「止」が入っているのは、戦いを止めたり止(や)めさせたりするのが武器だと考えていたことが分かりますね。
武 ブ ム
① 武士の武は、 イチイチ止めるなレイテンの武士。
② 武道の武は、 イチイチ戦争止めレまセン(﹅)。
武者震い 武器
道を表す「彳」と重ねる意味の4~9画目の「ノ一日」と足の形の「夂(なつあし)」を組み合わせた字。「かさねて道を行く」ことを表し「行った道を再び帰ること」「ふたたび」の意味に使われます。ここでは「彳(ぎょうにんべん)」を「ノろイ」とも読ませています。「一(イチ)」を中国語のように「イ」「イー」とも読ませています。
復 フク
① 回復の復は、 ぎょうにんべん、ノイ(一)ヒーターのすべり台、往復や。
② 復習の復は、 ノろイノ一日、ナツアーシ。
修復 復活
複 フク 東書p19 光村p41
ダブルの意味の「複」です。ものを重ねる意味の「ノ一日」と服の「衤(ころもへん)」、それと足を表す「夂(なつあし)でできた字です。「重ねて作った着物」→「重なる、重ねる、二つ以上、たくさん」等の意味で使われます。「衤(ころもへん)」を「ネ(しめすへん)」と書かないように。重ねた着物ですから「衤(ころもへん)」ですよ。書き順にも注意を。
「夂」の形には「すいにょう」「ちにょう」と呼ばれるものがあり、区別されていたようですが、今では同じ形になっています。ここでは「冬」のように上にくる場合は「ふゆがしら」、「夏」のように下にくる場合は「なつあし」と呼んでいます。
複 フク
① 複数の複は、 ころもへん、ノイ(一)ヒーターのすべり台、複雑や。
② 複式の複は、 ころもへんノ、一日ナツアーシ(衤ノ一日夊)。
複合 複写 複雑
鼻の形を表し「私」の意味の「ム」人を表す「イ(にんべん)」を組み合わせた字。仏教で「真に私(吾・自分)を知る」ことを「悟(さと)る」と言い、「悟った人」のことを「仏」と言いますが、ふつう「お釈迦(しゃか)さま」の意味で使います。
仏 ブツ ほとけ
① 仏像の仏は、 イムぼとけ(イム仏)。
② 仏教の仏は、 イム。 イムニハムニダ。 ※ 韓国語風に読むと面白いよ
大仏 仏心(訓読みで)
「米」と分ける意味の「分」を組み合わせた字。「米のこな」を表した字。今は、米にかぎらずこなのような状態のものを「こな」と言います。「こな(花粉」「こまかくくだく(粉砕)」「おしろい(白粉)」という意味に使います。 ※ 「白粉」は、熟字訓(特別な読み)で「おしろい」と読みます。
粉 コ こ こな
① 花粉の粉は、 米分けて粉。パン粉小麦粉花粉症。ハクショーン。
② 粉末の粉は、 ベイフン(米分)。
粉雪 粉薬
竹や木で編んだ網戸を表した「扁(へん)」と「糸」を組み合わせた字。昔は竹や木の札を編んで本を作っていました。「糸で編む(編み物)」「書物を作る(編集)」「書物の一部(前編)」「書物の数え方(一編)」などの意味に使われます。
編 ヘン あ・む
① 編集の編は、 編むのはね、糸で戸にふたしてからサ
② 編曲の編は、 イトト(糸戸)ふたサー(冂サ)
編成 短編集
かんむりの形を表した「ム」と両手を表した「廾」を組み合わせた字。「冠(かんむり)」の意味に使われていましたが、今は同じ音の「辨」の「わきまえる(弁別)」という意味、「辯」の「たくみな言葉(弁論)」という意味、また「瓣」の「うりの中身の果肉」という意味から変化した「花びら(花弁)」「花弁の形のもの(安全弁)」という意味に使われます。
弁 ベン
① 弁明の弁は、 ムー(一)ミンノほたて(―)弁当。
② 花弁の弁は、 ムイチ、ノタテボー。
③ 弁慶の弁は、 ムニジューアシ。 ※ 廾=にじゅうあし
弁天饅頭 弁当 弁解
「イ(にんべん)」と子どもを両手で抱き上げた形を表した「呆(ホウ)」を組み合わせた字。「人が子どもをまもりやしなう(保育)」ことを表した字です。「まもる(保護)」「まもり続ける」「たもつ(保存)」の意味に使われます。
保 ホ たも・つ
① 保健の保は、 イロがキいろの保育園。
② 保護の保は、 イロ木保育園。
保温 保湿
日がしずんで草原の中にかくれた形を表した「莫(ボ)」と「土」を組み合わせた字。日ではなく「死体がかくれている土」という意味です。「おはか」という意味にも使います。
土を高くもりあげたおはかは「墳」。平らなおはかは「墓」。
墓 ボ はか
① 墓地の墓は、 サむい日に一か八かで土で墓。
② 墓前の墓は、 サーヒーイーパードー(サ日一八土)。 ※ 中国語風に読めるかな
墓参り 墓穴
【参考】 墓 サーヒーイーパードー 暮 サーヒーイーパーヒー
幕 サーヒーイーパーキン 募 サーヒーイーパーリキ
慕 サーヒーイーパーショーテン 蟇 サーヒーイーパーチュー(ひきがえる)
罪人を逆さづりにした形、手かせをした形を表す「幸」と人をとらえる形を表した「𠬝(フク)」を組み合わせた字。人がとらえられ逆さづりにされるのは犯した罪の「報(むく)い」によるもの。また、見せしめにして罪の重さを人々に「知らせ」ました。「報い(報恩)」「知らせ(報告、警報)」の意味に使われます。九画目は必ずはねます。幸せの幸は、「ツチソイチジュー」。
報 ホウ むく・いる
① 予報の報は、 幸せをフぼうまたに報告す。 九画目の「フ」は必ずはねます
② 時報の報は、 つちソイチジュー、フぼうまた(土ソ一十、フー又)。
予報 報道
お供え物を乗せる器の形を表した「豆(トウ)」の上に、お供え物がゆたかに乗せられているようすを表した字。「物が多くあること」「物があふれるほどたくさんある」という意味に使われます。
豊 ホウ ゆた・か
① 豊富の豊は、 曲がった豆が豊作だあ。
② 豊年の豊は、 キョクマメ(曲豆)。
豊漁 豊かに実る
がけの意味の「阝(こざとへん)」と四方の意味の「方」を組み合わせた字。四方をがけのようなかべをめぐらせて、敵の侵入を「ふせぐ」という意味を表します。「ふせぐ」の意味に使われます。
防 ボウ ふせ・ぐ
① 防止の防は、 はた(阝)ふる方を防ぎます。
② 防音の防は、 こざとへん、ホーウ(方)。
防水 予防 防寒 消防車
交換し合うことを表した「卯」とお金を表した「貝」を組み合わせた字。「物と物とを交換したり、お金で売ったり買ったりすること」を意味します。この「貿」は、「貿易」という熟語だけに使われるようです。他に使われていたら教えてね。
貿 ボウ
① 貿易の貿は、 ノムよ、刀と貝の貿易を。 ※ 貿は貿易だけ
② 貿易の貿は、 ノムトウカイ。
貿易港 貿易風
暴 ボウ バク あば・く あば・れる 東書p245 光村p85
「日」と供(そな)える意味の「共」と米という字が変化した「氺(したみずの形)」を組み合わせた字。「米を日にさらしてそなえる」という意味の字。今は「人目にさらす」「あばく」「あばれる」「あらあらしい」「度が外れる」という意味に使われます。ここでは「氺(したみずの形)」を「たーてンくー 」と読ませています。最後は止めてね。
暴 ボウ バク あば・く あば・れる
① 暴力の暴は、 日にサらす一か八(ばち)かのたーてンくー。
② 暴言の暴は、 ヒーサーイーパーたーてンくー 。
暴れる 暴風雨
二つの川が合流して一つの川になったことを表す5~10画目と肉を表す「月(にくづき)」を組み合わせた字。体の中で一つになったり分かれたりする「血管」を表した字です。「血管(動脈)」「すじのように長く続くもの(山脈)」の意味に使います。
脈 ミャク
① 山脈の脈は、 月くくく折り重なりし飛騨山脈。
② 葉脈の脈は、 月くくく。
文脈 血脈
武器のほこを表した「矛(ム)」と武器を手にもった形の「攵(のぶん)」と努力の「力」を組み合わせた字。昔、成人した男性は矛(ほこ)を手にして国の守りにつくという「つとめ」がありました。その「つとめ」を表した字。「つとめ(義務)」「仕事」「つとめる」という意味に使います。
務 ム つと・める つと・まる
① 義務の務は、 マア、ノノブン、力を込めて事務するよ。
② 任務の務は、 マアノ、ノブンリキ(マアノ攵力)。
委員を務める 職務
夢 ム ゆめ 東書p24 光村p90
由来には諸説あり。ですから、5年生に私が教えるなら、「昔だからね。草をしき(艹)横になって目をつむり(罒)ふとんをかけて(ワ)寝る夜(夕)になったよ。いい夢見ようね。」って教えるかな。
夢 ム ゆめ
① 悪夢の夢は、 夢はサあ、あみ(罒)でワタ雲取ることさ。
② 夢中の夢は、 サああみ(罒)でワタがしを取る夢を見よ。
③ 夢想の夢は、 サアミワタ。
夢心地 正夢 初夢
八方に道が分かれていることを表した「米」と道を行く意味の「之(しんにょう)を組み合わせた字。「分かれ道が多く迷ってしまうこと」を表した字です。「まよう」意味に使われます。
迷 メイ まよ・う
① 迷惑の迷は、 米の道、迷い道。
② 迷路の迷は、 ソキノミチ(ソ木の道(しんにょう))。
③ 迷信の迷は、 八十八の道?迷うわ!
迷い犬 迷い道 迷宮
【クイズ】
米を作るには八十八の手間がかかると昔から言われる。
長寿を祝って、八十八歳のことを( )という。
米国とはどこの国( )。
亜米利加をかたかなで書くと、( )。
白い布の意味の「帛(ハク)」と「糸」を組み合わせた字。「綿(わた)、真綿(まわた)」「つながる(連綿)」「ふわふわした感じのもの(綿雲)」という意味に使います。
綿 メン わた
① 綿糸の綿は、 いと白き、はば(巾)のそろった綿布団(わたぶとん)。
② 綿花の綿は、 糸白きハバ(巾)。
③ 綿毛の綿は、 イトシロキン。
綿雲 綿菓子食べたあい 綿毛
「会」の意味の「亼(シュウ)」と、船の意味の「月(ふなづき)」と、川の流れを表した「刂」を組み合わせた8~16画目の「亼月刂」は、「川に舟が集まり会う」という意味で「舟で物を運ぶ」ことを表しました。「輸」は「車で物を運ぶ」という意味です。今は、車や舟に関係なく「物を運ぶ」意味に使います。
輸 ユ
① 輸入の輸は、 車ヤネ(𠆢)ん、一月(ひとつき)リっぱに輸入しや。 ※ 関西弁風に読んでね。
② 輸血の輸は、 シャーヤーネ、イーツキリー。 ※ 中国語風に読んでね。
輸出 輸送
家の形の1~3画目の「亼」と十分の意味の「十」と分けることを表した「ハ」を組み合わせた字。「家に十分にあるものを分ける」という意味で「ありあまる」「あまる」「のこる」という意味に使われます。
余 ヨ あま・る あま・す
① 余分の余は、 やね二小さな余りあり。
② 余白の余は、 ヤネイチホ(𠆢一ホ)。
余力 余り物
入浴の「浴」の意味の「谷」と家の意味の「ウ」を組み合わせた字。浴室の意味です。おふろに入るので「入る、入れる」の意味で、容器、内容、容量、容積。「受け入れる」の意味で、寛容、包容、容認、許容。「すがた」の意味で、容姿、美容。
容 ヨウ
① 容器の容は、 ウ谷君のだじゃれ、「内容がないよう」サブ!
② 美容の容は、 ウ谷さんの容姿、カワイイ!t
容積 容量
「田(た)」と至るという意味の「各(カク)」を組み合わせた字。「田の至る」という意味で「実際に現地に行って経営する」ことを表しました。「事業を経営する」「経営のはかりごと(計略)」「物事の大体(略図)」「省く(省略)」の意味に使われます。
略 リャク
① 略図の略は、 田は冬かしら?口書いて省略します。 ※ 「夂」はふゆがしら。
② 概略の略は、 タカク(田各)。
戦略 中略
留 リュウ ル とま・る とめ・る とど・める 東書p197 光村p57
川の流れがせき止められて、田に水があふれとどまっている姿を表した「卯」と「田」を組み合わせた字。「とどまる」「とどめる」「心にとめる、とまる」の意味に使います。
留 リュウ ル とま・る とめ・る とど・める
① 留学の留は、 たノムよ刀田に立てて、留(とど)めて戦う宮本武蔵。
② 留意の留は、 ノムトウタ(ノム刀田)。
保留 留守
命令の意味の「令」と頭の形をした「頁」を組み合わせた字。「命令をうけて、それをよく頭におさめる」ことを表した字。今は「大事な所、要点(要領)」「しっかりとおさえる、自分のものにする(領収)」「治める、治める人(領土、大統領)」 という意味に使います。
領 リョウ
① 領土の領は、 令和一ノ貝はどこだ!と大統領
② 頭領の領は、 レイ、イチノメハ(令一ノ目ハ)
③ 要領の領は、 レイにオオガイ
④ 領海の領は、 レイ、イチノカイ。
尖閣は日本の領土です 竹島は日本の領土です 北方領土を返してください
もとは「歷」。がけ「厂」に稲「禾」を並べた形、これに足を表す「止」を組み合わせた字。歩いては次々に稲の束を並べていくので「次々と移っていく」「準を追っていく(歴訪)」「世のうつり」「物事のうつり変わり(歴史)」「はっきりとしている様子(歴然)」の意味に使われます。
歴 レキ
① 歴史の歴は、 歴史ある一つノ林に止まります。
② 歴然の歴は、 イチノリントメール(一ノ林止)。
歴戦 前歴
【参考】「忄」はりっしんべん。心情に関係した漢字を表します。
ここでは、「真心(まごころ)」と読ませています。
また、「忄(りっしんべん)」の書き順はハを書いてから|を書きますので、
「ハタテボウ」「ハボウ」とも読ませています。
【参考】「令」は、「ヤネテンマ」と、覚えてもいいですね。
「頁」は、「おおがい」。「イチノメハ」と覚えてもいいね。
小学校で習う「頁」のつく字
顔(2) タツノサン(さんづくりの形)のイチノカイ。
頭(2) マメたさんのイチノカイ。
題(3) 日曜日、正しくはらうイチノカイ。
願(4) がんだれに、白く小さいイチノカイ。
順(4) 川のながれにイチノカイ。
類(4) 米に大きなイチノカイ。
額(5) お客さんにイチノカイ。
頂(6) チョウ、イチノカイ。
預(6) マア、大きな貝(おおがい)。マア、イチノカイ。
【参考】
専門の、専の形は、糸巻に、もっぱら糸を、巻く形だよ。
専門の、センには点は、ありまセン、もちろん口も、ありません。
専門を、センと読むとき、点(、)はなし。これを覚えておけばいいですよ。
博識の、博のつくりは、苗を手で、広く田植えを、する形だよ。
博識の、博には点が、ありますよ。ハク・バクと、読むとき点が、つきますよ。
原因 原因は、がけに白くて、小さくて、中に大きく国を構える(くにがまえ)。
準備 シライノテンチョウサン(シ隹)は十分間。イーサおいらは、一つだけ、
用事を済ませ、準備をするよ。
挨拶 あいさつ テムヤテクククタ。テ(扌)ムヤ(矢)テ(扌)扌)くくくタ。
獣 けもの ツダイチローのイヌ。ツ田一ローの犬。