三谷祐児の国語工房

長年培ってきた国語の指導方法を公開しています。
現在、一番充実しているのは「国語が大切」です。
また、ブログ(終活最前線 おらの細道 おらのセレンディピティ等)も公開しています。
皆様のお役に立てば幸いです。

東書5年 後期分 音読で漢字を覚えよう 大造じいさんとがん 手塚治虫 他

全国の先生方へ

皆さん、漢字の指導に悩まれていませんか。どうして覚えてくれないのかな?教え方が悪いのかな?そのようにお悩みの先生はきっとたくさんおられることでしょう。実は私もそうでした。

この漢字音読集を考えるきっかけになったのは、ある一人の女の子のからかいのような言葉からでした。

「先生、バラって漢字で書ける?」

「よう書かんなあ、自信ない。」

するとその女の子は得意げに、

「くさつちジンジンカーイ、くさビーイー。」

と声高らかに黒板に薔薇という漢字を書いたのでした。

私は、これは面白いと思いました。以来3年間、試行錯誤を繰り返しながら漢字音読集を充実させてきました。

ここでは、漢字を分解し、訓読みや音読み、部首名の読みや語呂合わせなどを使って、子どもたちが楽しく漢字が覚えられるように唱えさせてきました。私は、この覚え方を「漢字音読」と称して授業の最初に一斉音読をさせてきました。先生がいなくても読み始めるように指導しました。皆さんも、是非実践してみてください。3か月、半年と続けるうちに確実に漢字の力が身についていくことが実感できます。

なお、漢字の成り立ちと意味、指導のポイントなども載せていますのでご活用ください。効果ありです。音読で授業のリズムを作るのです。

 

保護者の皆様へ

家庭での漢字学習、特に自主学習に使っていただくと効果があると考えています。漢字を覚えることが少し苦手なお子様も、粘り強くまず3か月は続けさせてみてください。興味の向かないお子様には、ご家族が寄り添って、せめて3か月続けてみてください。漢字を苦手にしているお子様は、授業の漢字指導だけでは絶対的な学習量が足りないと考えています。家族の協力で繰り返し繰り返しチャレンジしてみてください。家族で楽しく覚え方をマスターできるといいですね。 

  

 5年生の皆さんへ

皆さん、漢字を覚えるのは楽しいですか?苦しいですか?何でやらんといけんの?なんて思っているんでしょうね。まあ、日本人だから漢字やりましょう。自分の人生で使っていく国語の基礎基本ですからね。思考し行動するその源になるものですからね。やるしかないね。でも、どうせやるなら楽しくやりましょう。家庭での予習、自主学習としての復習などに活用してみてください。自分なりの漢字音読集を作ってみるのも力になると思います。すぐには結果は出ないかもしれないけれど、やっていきますと得点が20~30点アップしていきます。また、中学校に進んでからも漢字が楽しく覚えられます。この漢字音読集は必ず君の力になると信じています。「継続は力なり」です。さあ、やってみましょう! 

 

【漢字音読の方法】

 

さて、以下、漢字は次のように覚えましょう。

青い字のアンダーラインの部分を繰り返し音読します。

は覚え方の例です。覚えやすい方を覚えるといいでしょう。

覚え方は書き順どおりになっています。(ちがう場合はただし書きあり。)

  

 【授業での実践】 例「像」 TCの交互読み

 T:ゾウ          C:ゾウ

 T:想像の像は、      C:想像の像は、

 T:イーゾウ。       C:イーゾウ。

 T:画像の像は、      C:画像の像は、

     :            :

 このように、熟語まで(アンダーラインの部分を)一斉読みをしていきます。

 毎時間、授業開始5~8分程度で読める範囲を音読。(慣れてきたら、T役は児童でも可。臨機応変に。)

   

先生方、保護者の皆様、コピー加除訂正等をして、使いやすように、どうぞ加工してください。

 

【和の文化を受けつぐ 和菓子をさぐる】

 

 トウ す・べる   東書p150 光村p161

 人が成人してりっぱになる意味を表した「充(ジュウ)」と「糸」を組み合わせた字。「ほそい糸を一つにまとめて太いりっぱな糸にすること」を表した字。「一つにまとめる(統一)」「ひと続きになっているもの(系統)」の意味に使います。  

 

 トウ す・べる   

① 計のは、 糸ぼうし(亠)ムしして走る(儿)大統領 

② は、 イトジュウ(糸充)。

③ 一のは、 糸フタム、ヒトアーシ(糸亠ム儿)。                 

 合 計 

 

 フン こ こな   東書p151 光村p211

 「米」と分ける意味の「分」を組み合わせた字。「米のこな」を表した字。今は、米にかぎらずこなのような状態のものを「こな」と言います。「こな(花粉」「こまかくくだく(粉砕)」「おしろい(白粉)」という意味に使います。  ※ 「白粉」は、熟字訓(特別な読み)で「おしろい」と読みます。

 

 コ こ こな      

① は、 米分けて。パン小麦症。ハクショーン。       

 末のは、 ベイフン(米分)。                          

 雪 

 

 ユ   東書p152 光村p212

 「会」の意味の「亼(シュウ)」と、船の意味の「月(ふなづき)」と、川の流れを表した「刂」を組み合わせた816画目の「亼月刂」は、「川に舟が集まり会う」という意味で「舟で物を運ぶ」ことを表しました。「輸」は「車で物を運ぶ」という意味です。今は、車や舟に関係なく「物を運ぶ」意味に使います。

 

 ユ     

 入のは、 車ヤネ(𠆢)ん、一月(ひとつき)リっぱに入しや。  ※ 関西弁風に読んでね。 

 血のは、 シャーヤーネ、イーツキリー。   ※ 中国語風に読んでね。               

 出 

 

 ギ    東書p152 光村p40

 支える「支」の「又」は手を表します。手の先でやじろべえを支えている様子をイメージしてください。それが支える。それに手を表す「扌(てへん)」がついた字です。「ものごとをよくコントロールできる手」「すぐれた手」「わざ」を意味します。

 

 は、 てへん(扌)える見事な術。 

 能のは、 てへんジューまた扌十又)

 匠(たくみ)の 巧 

 

 ジュツ すべ   東書p152 光村p40

 「行」は十字路の交差点の意味。イメージしてね。この「行」の間に、「ことば」を意味する「朮(ジュツ)」が入りました。今は「術」は「道、必要な方法や技」の意味に使われています。

 楽しくおぼえられるように「彳(ぎょうにんべん)」を「ノろイ」と読ませています。また「朮(ジュツ)」を「ホーテン」と読ませています。

 ジュツ すべ

 は、 ホーテン一丁目。

 は、 ギョウ(行)にはさまるホーテンさん、抜け出る術(すべ)なし。 書き順注意

  技

 

支 シ ささ・える   東書p154 光村p110

 数の多い意味を表した「十」と手の意味を表した「又」とを組み合わせた字。「たくさんの物を一点でささえる」ということで「ささえる(支持)」という意味に使います。また「助ける(支援)」「分かれる(支流)」意味にも使われます。   

 

支 シ ささ・える

   持のは、 人でまた(又)支えよう、店長。                

 局のは、 ジュウまた(十又)。    ※ 「支」は、一点で支える、または、一点から分かれること      

 離滅裂 

 

 ケイ かた   東書p155 光村p167

 木型のわくを表した1~4画目と刀を表した「刂(りっとう)」と「土」を組み合わせた字。「土で作った鋳型(いがた)、土型」を表します。「もとになる形」「手本」という意味に使います。

 

 ケイ かた  

① は、 この鳥居(1~4画目)リっぱながいい。               

② は、 鳥居(1~4画目リード(土)。                    

③ は、 ケイド(刑土)。                    

 型 的 俳句の定五七五

 

 サイ ふたた・び   東書p156 光村p155

 物をのせる台の形を表した字です。台というのは、物を取り去っても「ふたたび」物をのせますよね。そこから「ふたたび」という意味に使われます。  

 

 サイ ふたた・び   

① 会のは、 ふた(冂)、たて1(❘)よこに(二)再挑戦。                  

② 建のは、 イチドウ、カマエタテーニ。    ※ タテーニ(|二、土の書き順ではない) 「冂」の形は、部首名で「けいがまえ、どうがまえ」と言う。ここでは「ドウ」と読ませています。            

 生 来週

 

 ゲン  かぎ・る かぎ・り   東書p156 光村p56

 

 「退(しりぞ)く」意味の「艮(コン)」とがけを表す「阝(こざとへん)」を組み合わせた字。「がけのきわまでしりぞく」意味ですが、これ以上はしりぞけませんので「かぎること」「ここまでというさかい、日、時」の意味に使います。

 

 ゲン  かぎ・る かぎ・り

① 界のは、 はた(阝)ヨレたびれ果てて界だ。

② は、 コザトヘンハラウコン。                       

 限 限

 

【参考】 注:は、「こんづくり、ねづくり、こん、うしとら」。

ここでは、退の「艮」6画目を止めているので「とめるこん」。

限の「」は6画目をはらっているので「はらうこん」とも読ませている。

 

「阝」の形にはこざとへんおおざとがある。画数は三画

左にあれば「こざとへん」 成り立ちは「阜」。「丘」の意味。 限、防、降、除、険 など 

右にあれば「おおざと」  成り立ちは「邑」。「村」の意味。 都、郷、郡、部、郊 など

 

【和の文化を発信しよう】

 

 コウ き・く   東書p166 光村p133

 交わるという意味を表す「交(コウ)」と努力する意味の「力」を組み合わせた字。「交わろうと努力する」ことを表した字。今では「ききめがある」「きく」という意味に使われます。 

 

 コウ き・く     

 果のは、 ムッツメヂカラ効果あり。                     

② は、 六メカ(六メ力)。

 よくく薬 

 

【熟語の構成と意味】

 

 ホ たも・つ   東書p170 光村p137

 「イ(にんべん)」と子どもを両手で抱き上げた形を表した「呆(ホウ)」を組み合わせた字。「人が子どもをまもりやしなう(保育)」ことを表した字です。「まもる(保護)」「まもり続ける」「たもつ(保存)」の意味に使われます。

 

 ホ たも・つ 

① 健のは、 イロいろの育園。

② 護のは、 イロ木保育園。

 温 湿

 

 ゴ まも・る     東書p170 光村p144

 みみずくの形を表した「萑(スイ)」と手の形を表した「又」と「言」を組み合わせた字。「みみずくを取ろうとしている人に、取ってはいけないよと言ってかばうこと」を表した字です。「まもってやる」意味に使われます。

 

 ゴ まも・る   

① は、 イ(言)うけどサ、イーテンチョウサン(隹)、マタ(又)してる。

② は、 うけどサ、ふるとり(隹)しよう。         

③ 衛のは、 ゲンサ、フルトリマータ(言サ隹又)。             

 護  

 

 サイ つま   東書p170 光村p144 

 針を表す「十」と手を表す2~4画目と「女」を組み合わせた字。「針を持つ女」を表しました。針仕事をする家庭の主婦、つまり、「つま」の意味に使われます。

 

 サイ つま

① は、 の字は、ヨコイチヨを出しタテイチジョ(一ヨを出し1女)。   

 子のは、 ヒトヨ出るタテイチジョ(一夜出る縦1女)。    ※ 女の書き順は「クノ一」 女の忍者を「クノ一」と言います。     

 妻 

 

 オウ   東書p170 光村p84   

 行く意味の「彳(ぎょうにんべん)」と、同じく行く意味の「、」と発音を表す「王」を組み合わせた字。「主(シュ)」とは関係はありません。「道を行く」意味を表します。

 

 オウ

 来のは、 主(あるじ)往復す。                     

 復のは、 イヌシ。

 路 

 

 フク    東書p170 光村p43    

 道を表す「彳」と重ねる意味の4~9画目の「ノ一日」と足の形の「夂(なつあし)」を組み合わせた字。「かさねて道を行く」ことを表し「行った道を再び帰ること」「ふたたび」の意味に使われます。ここでは「彳(ぎょうにんべん)」を「ノろイ」とも読ませています。「一(イチ)」を中国語のように「イ」「イー」とも読ませています。

 フク

① は、 ぎょうにんべん、ノイ(一)ヒーターすべり台、や。

② 習のは、 イノ一日、ナツアーシ。

 復 復 

 

 コウ たがや・す   東書p170 光村p211

 土をほりおこす道具である耡(すき)を表した「耒(すき)」と田の形をあらわした「井(イ)」を組み合わせた字。「すきを使って田んぼをたがやす」ことを表した字。「たがやす」「仕事」という意味に使います。

 

 コウ たがや・す 

 地のは、 つのよこよこたてたて耕すぜ。              

② は、 そうぜ、ニッキイー!(二木井)。

 作 晴雨読

 

 コウ   東書p170 光村p197

材木を組み合わせ組み立てた形の「冓(コウ)」と言葉の意味の「言(ごんべん)」を組み合わせた字。「言葉を組み立てる」という意味の言葉。「組み立てられた語、説明(講話)」「よく考えて適切な処理を行う(講じる)」また「仲よくする(講話)」という意味に使います。

 

 コウ    

① 義のは、 サ二回、ふたたてぼう(ー)に(二)、講義する。      

② 習のは、 言(ごんべん)サ一再び。                 

③ 話のは、 ゲンサニ、フタタテーニ(言サ二、冂|二)。          

 演 大学の堂 

 

 ザイ つみ   東書p170 光村p85 

 非行を表す「非」と鳥や魚をとる網(あみ)を表した「罒(モウ)」を組み合わせた字。「非行の人をとらえて罰すること」を表した字です。「悪い行い」の意味で使われます。

 

 ザイ つみ

① は、 あみかけてノーサンタテサンです。               

② は、 アミヒ (罒非)。   ※ 「罒」は「あみがしら、あみ」「四」と書かない!                          

 罪 罪

 

 ネン も・える も・やす も・す   東書p171 光村p229

 「犬」と肉の意味の「月(にくづき)」と「火」を組み合わせた字。「火をもやして犬の肉をやく」ことを表した字。「火をもやす」「もえる」という意味に使います。 

 

 ネン も・える も・やす も・す     

① 費のは、 が吠(ほ)えます。ワンワンワンワン!(灬)。    

② 料のは、 カゲツケンテンシ(火月犬灬)。                

 料 可

 

【提案します、一週間チャレンジ】

 

 テイ さ・げる   東書p173 光村p122

 日の運行のように正しいという意味の「是(ゼ)」と手を表す「扌(てへん」を組み合わせた字。「正しくりっぱなものを手にする」という意味を表しました。今は「たずさえる(手提げ)」「さしだす(提出)」という意味に使われます。  

 

 テイ さ・げる   

① 示のは、 手(扌)の平やお様いつもしいよ。              

② 案のは、 手(扌)光、しくはらって供す。            

③ 出のは、 テーゼ(扌是)。

 出 

 

賞 ショウ   東書p173 光村p28

 「尚+貝」。「尚」には「りっぱな家だとほめる」意味があるそうです。「貝」は「お金」。そこから、「りっぱな行いをほめてほうびのお金」を表した字です。間違えやすいのは3画目までの筆順。「ツ」ではなく「小の2・3画目を内によせた形。しょうがしら、なおがしら」ですので、まん中のたての画が1画目になります。

 

  ショウ

 は、 1ソワソワ状もらおうよ。

 は、 イチ(1)ソ、ワローカイ(貝)。

 は、 ショウワクチカイ

  

 

【和語・漢語・外来語】

 

桜 オウ   東書p176 光村p43       

 もとの字は「櫻」。しかし、この字は「さくら」を表した字ではありませんでした。中国には「さくら」がなかったから当然な話。「嬰」は桜貝で作った女性が身につける首飾りのこと。桜貝のような花びらをもった木なので「桜」が作られました。

桜 オウ

① 花のは、 木のそばでキ見る性は好き。

② は、 キーツージョ(木ツ女)。

  山   

 

 ドウ   東書p176 光村p43          

 金属の意味の「金」と同じという意味の「同」を組み合わせた字。金よりも赤みがあるけれども、金に一番良くにた金属ということで「銅」と言いました。

 金:黄金(こがね、オウゴン) 銀:白金(しろがね) 銅:赤金(あかがね)、赤銅(シャクドウ) 鉄:黒金(くろがね)

 ドウ

 像のは、 かね(金)同。

② 線のは、 キンドー(金同)。

 金銀銅 銅貨

 

貿 ボウ   東書p176 光村p43

 交換し合うことを表した「卯」とお金を表した「貝」を組み合わせた字。「物と物とを交換したり、お金で売ったり買ったりすること」を意味します。この「貿」は、「貿易」という熟語だけに使われるようです。他に使われていたら教えてね。      

 

 貿 ボウ

   貿易の貿は、 ノムよ、貿易を。   ※ 貿は貿易だけ               

② 貿易の貿は、 ノムトウカイ。

 貿易港 貿易風 

 

 エキ イ やさ・しい   東書p176 光村p43    

 実は、この「易」はある爬虫類動物の象形文字なのです。体の色を容易く(たやすく)変える動物。「体の色を変えるのはやさしいよ。」と言っている動物?答えはカメレオン。カメレオンの絵をかいて楽しくおぼえよう。「うらない」の意味にも使われます。

 エキ イ やさ・しい

① は、 日ノフノノ、易者は安に交す。  ※ フははねてね。               

② 貿は、 日ノフノーノ。

 しい 平易 易

 

 キ   東書p177 光村p167

 コンパスの形をした「夫」と「見」を組み合わせた字。「円をえがく道具」という意味。円をえがくのにどうしても必要なものなので「人間にどうしても必要なきまり」という意味に使われます。    

 

       

 定のは、 夫見範意識の則集。                    

② は、 二人ている例集。

 律のは、 オットミール(夫見)。                        

  規 規約  

 

 ソク   東書p177 光村p167

 財産の意味の「貝」と切り分ける意味の「刂(りっとう)」を組み合わせた字。「財産を切り分ける」という意味の字。財産を分けるときには「きまり」にしたがって分けないと争いのもとになります。「きまり」という意味に使います。

 

 ソク     

① は、 貝リっぱ則正しい貝の殻。                    

   は、 カイリー(貝リ)。                          

 則 

 

熟語】 規則:二人で見ている貝リっぱ  二人ミルカイリー

 

漢字 学年   覚え方        意味       代表的な熟語

則  5    カイリー       きまりのこと            規則、原則

測  5    シーカイリー    いろんなものをはかる   測定、予測

側  4    イーカイリー    そば、わき      側面、側近(そっきん)

惻  中一  ハボ(ー)カイリー  おもう、過去を思う   追憶、記憶

※ 「ハボ」は「ハボー、ハタテボー」。

「忄(りっしんべん)」の書き順は「ハタテボー」です。

 

【大造じいさんとがん】

 

 ソツ リツ ひき・いる   東書p180 光村p229

 飛んでいる鳥が引っかかるように仕組んだ網(あみ)の形を表した字。ひっぱってあみをはりますので「ひっぱる」という意味を表します。「ひっぱる」「人をひきいる(引率)」また「全体から見たわりあい(百分率)」という意味に使います。

  

 ソツ リツ ひき・いる   

① は、 ふた(亠)りくム(幺)テンテンテンテン(ンノ丶)十回引率。 

② は、 フタくムテンくジュー(亠幺ンく十)                    

 率  

【参考】 両側(上下)から濡れた糸を引っ張る形。中央の「テンく」(ンノ丶)は飛び散るしずくを表しています。 八・九画目の「く」は離します。   このように覚える方が分かりやすいかもしれませんね。

 

 リョウ   東書p180 光村p229

 命令の意味の「令」と頭の形をした「頁」を組み合わせた字。「命令をうけて、それをよく頭におさめる」ことを表した字。今は「大事な所、要点(要領)」「しっかりとおさえる、自分のものにする(領収)」「治める、治める人(領土、大統領)」 という意味に使います。 

 

 リョウ      

 土のは、 一ノ貝はどこだ!と大統    

② は、 レイ、イチノメハ(令一ノ目ハ)       

③ は、 レイオオガイ  

 海のは、 レイ、イチノカイ。       

 尖閣は日本の土です 竹島は日本の土です 北方土を返してください

 

 チョウ は・る   東書p183 光村p110 

 弓の形を表した「弓」と長いを表した「長」を組み合わせた字。「弓に長いつるを張ること」を表しました。弓を張ると弓がぴんとひきしまります。そこから「気がはる(緊張)」また「ひろげる(拡張)」「大きくする(伸張)」の意味に使われます。 

 

 チョウ は・る  

① は、 弓長弓長君。                

② は、 ユミナガ(弓長)。                           

 る 見

 

 ドウ みちび・く   東書p183 光村p233

 道の意味の「道(ドウ)」と物事の基準の意味の「寸(スン)」を組み合わせた字。「よりどころとなる基準をもとにみちびき教える」ことを表した字。「みちびく、教える(指導)」また「伝える(伝導)」という意味に使います。 

 

 ドウ みちび・く  

① は、 このだ!一法師をくぞ!              

 入のは、 ミチン(道に寸)。   

③ くって、ドウスンねん。     

 火線 勝利に

 

 リャク   東書p186 光村p147 

 「田(た)」と至るという意味の「各(カク)」を組み合わせた字。「田の至る」という意味で「実際に現地に行って経営する」ことを表しました。「事業を経営する」「経営のはかりごと(計略)」「物事の大体(略図)」「省く(省略)」の意味に使われます。

 

 リャク

① 図のは、 冬かしら書いて省します。  ※ 「夂」はふゆがしら。

② 略の略は、 タカク(田各)。

 略 

 

飼 シ か・う   東書p187 光村p196

 「つかさどる、とりあつかう」いみの「司(シ)」と「食」を組み合わせた字。「食べ物をつかさどる、人間が動物に食べ物を与えて育てる」ことを表した字。「動物を飼(か)う」という意味に使います。

 

飼 シ か・う   

 育のは、 しょくへんに、フーゥッ一口飼いならす。               

 料のは、 しょくへんツカサドール(司)。

 い主 放し  ※ 「食」がしょくへんになると、「飠」の形になります。

 

 ベン   東書p190 光村p119 

 かんむりの形を表した「ム」と両手を表した「廾」を組み合わせた字。「冠(かんむり)」の意味に使われていましたが、今は同じ音の「辨」の「わきまえる(弁別)」という意味、「辯」の「たくみな言葉(弁論)」という意味、また「瓣」の「うりの中身の果肉」という意味から変化した「花びら(花弁)」「花弁の形のもの(安全弁)」という意味に使われます。

  

 ベン   

 明のは、 ムー(一)ミンたて(―)弁当。                

② は、 ムイチ、ノタテボー。                        

 慶のは、 ムニジューアシ。    ※ 廾=にじゅうあし               

 天饅頭 当 

 

 ドウ   東書p191 光村p242  

 ていどが高くりっぱという意味の「高尚(コウショウ)」を表す「尚(ショウ)」と「土」を組み合わせた字。ここでは「尚」はりっぱな家を表しています。「堂」は「高くもりあげた土の上にたつりっぱな家(本堂)」という意味に使います。また「りっぱなようす(堂々)」という意味にも使います。

 

 ドウ      

 々のは、 チイ(小)さいワ、のおでは。            

② は、 ショウワロード(小ワのロー土)。

③ 殿は、 ショー、ワクチドー(小、ワ口ん土)。  ※ 「ショー、ワクチんドー」は、沖縄の歌のように覚えると楽しいよ。          

 堂 正々々 公会

 

【漢字を使おう 6】

 

 フ   東書p197 光村p173

 「箒(ほうき)」の本字であり、箒を手にした形を表した「帚(ほうき)」と「女」を組み合わせた字。「箒を手にした女」という意味で「家の働き手の女の人」を表しました。「一家の主婦(妻)」「大人の女性」という意味に使います。  

 

      

① は、 くノ一ヨワったかさ(巾)人用。

② は、 このカサ(巾)よ。

③ は、 ジョヨワーキン(女ヨワ巾)。                       

 人服 妊婦 夫婦(熟字訓で)

 

綿 メン わた   東書p197 光村p196

 白い布の意味の「帛(ハク)」と「糸」を組み合わせた字。「綿(わた)、真綿(まわた)」「つながる(連綿)」「ふわふわした感じのもの(綿雲)」という意味に使います。  

 

綿 メン わた   

① 綿糸の綿は、 いと白き、はば(巾)のそろった綿布団(わたぶとん)。     

② 綿花の綿は、 糸白きハバ(巾)。                   

③ 綿毛の綿は、 イトシロキン。                             

 綿雲 綿菓子食べたあい 綿

 

留 リュウ ル とま・る とめ・る とど・める  東書p197 光村p57

 

 川の流れがせき止められて、田に水があふれとどまっている姿を表した「卯」と「田」を組み合わせた字。「とどまる」「とどめる」「心にとめる、とまる」の意味に使います。

 

留 リュウ ル とま・る とめ・る とど・める   

① 学のは、 たノム刀田に立てて、(とど)めて戦う宮本武蔵。     

 意のは、 ノムトウタ(ノム刀田)。                        

  留 留

 

 ハン おか・す   東書p197 光村p197

 犬の形を表した「犭(けものへん)」と人の形を表した4~5画目を組み合わせた字。「犬が人におそいかかる」ことを表した字。「きまりや道徳にそむく」「つみをおかす」という意味に使います。

 

 ハン おか・す  

 罪のは、 イノししのフしぎな動き、人やあ!                         

 人のは、 イノフし。                              

 行 防

 

【漢字を使おう 7】

 

 エキ   東書p208 光村p167

 腋(わき)の下の意味の「夜」と水の意味の「氵(さんずい)」を組み合わせた字。「わきの下に出る汗」を表した字。今は「水のような状態のもの」という意味に使います。    

 

 エキ     

① 体のは、 冷やされてずかにになる。           

② は、 シヨル(シ夜)、シヨルハムニダ。   ※ 韓国語風に読むとおもしろいよ     

③ は、 ずかにフタ(亠)イタはらう。                

 化 状化 水溶

 

 テイ ほど   東書p208 光村p150

 心に思っていることを外に出す意味の「呈(テイ)」と稲の形の「禾(のぎへん)」を組み合わせた字。「外に表された稲のすがた」つまり「稲の生長のどあい、ていど、ほどあい」を表した字です。今は、「ものごとの進行のていど」「物事の中身のていど」の意味に使われます。 

 

 テイ ほど   

① は、 ノギグチ(禾口)様曰(いわ)く、「過が大事や!」。

② は、 ノギグチオウ(禾口王)。                      

 度 行

 

武 ブ ム   東書p208 光村p73

 武器や戦(いくさ)を表した「戈(ほこづくり)」と止める意味の「止」を組み合わせた字。「戦(いくさ)を止める」意味です。戦を止めさせるのは「強力な武器」「強大な武力」という意味に使われます。武器の武に、「止」が入っているのは、戦いを止めたり止(や)めさせたりするのが武器だと考えていたことが分かりますね。

   

武 ブ ム

 士のは、 イチイチ止めるなテン士。

② 道のは、 イチイチ戦争セン(﹅)。                   

 者震い 

 

【いにしえの人のえがく世界】

 

似 ジ にる   東書p212 光村p55

 

 人がくわを持って働いている形を表した「以」と人を表した「イ(にんべん)」を組み合わせた字。「レ」はくわの形。人がならんでくわを使っている姿はとても良く似ていますよね。「にる」「にせる」の意味に使われます。   

 

似 ジ にる

   は、 イレソテン。                             

     るのも、 イレソテン。  ※ 「以上の以」は「レソテン」。ただし、レは二画で。             

 合う 顔絵  

 

【「弱いロボット」だからできること】

 

 セイ   東書p216 光村p85

 切ってほどよく整える意味の「制(セイ)」と衣服の「衣(ころも)」を組み合わせた字。「布を切って衣服をつくる(製造)」ことを表した字です。「物を作る」の意味に使われます。

  

 セイ

 作のは、 ノニカサさして、っぱな服日本製。               

 鉄のは、 ノニカサリーイー製作す。                                    

 中国製 製

【参考】

製作の製は、実用的 一般的 道具を使って作る場合

制作の制は、独創的 芸術的 例:卒業制作   

 

 ノウ   東書p216 光村p148 

 もとはこの字が「熊(くま)」という字でした。熊の力は「能力」と言い、「たいそう強い力」でした。この「たいそう強い力」を能力というようになりました。能力はどんなことでもできます。今は「物事をなしとげる力」「強い力」「できる」という意味に使われます。

 

 ノウ

① 力のは、 ム月ヒヒ。                               

② も、 ム月ヒヒ。                                 

 能 能 

【参考】 

もとはこの「能」が今の「熊」でした。

熊の力は強いので → 能力 「できる」という意味に。

「ム月ヒヒ」は「能」。「ム月ヒヒテンシ」は「熊」。「ム月ヒヒ心」は「態」。

 

 ショウ あかし   東書p217 光村p157 

 言うという意味の「言(ごんべん)」と正しい意味の「正(セイ)」を組み合わせた字。「これは正しいと言ってあかしを立てること」を表した字。「あかしを立てる」「あかし」の意味に使われます。 

 

 ショウ あかし  

① 拠のは、 うよ、しい拠をね。                

② 人のは、 ゲンセイ(言正)。                                  

 卒業書 

 

 ホウ ゆた・か   東書p217 光村p151 

 お供え物を乗せる器の形を表した「豆(トウ)」の上に、お供え物がゆたかに乗せられているようすを表した字。「物が多くあること」「物があふれるほどたくさんある」という意味に使われます。

 

 ホウ ゆた・か   

 富のは、 がった作だあ。                  

 年のは、 キョクマメ(曲豆)。                                            

 漁 かに実る

 

 イ かこ・む かこ・う   東書p219 光村p204 

 井戸(いど)の形を表した「井(い)」とかこいの形をした「囗(くにがまえ)」を組み合わせた字。「井戸をかこう」ことを表した字。「かこむ」「かこう」「まわり(周囲)」「かぎられた部分(範囲)」という意味に使います。 

 

 イ かこ・む かこ・う   

① は、 ふたをしてよこよこたてたてふたとじて、井戸の周みます。

② は、 くにがまえ井。    書き順注意

 い 碁 範

 

 ダン トン   東書p222 光村p212 

 円い形を表した「口」と長さの基準でよりどころという意味の「寸(スン)」を組み合わせた字。「しっかりとしたよりどころがあって一つにまるくまとまったもの」を表した字。「まるいもの(団子)」「まとまり」「集団」という意味に使います。

 

 ダン トン   

 地のは、 くにがまえ、一法師が寝る布団。   ※ 書き順注意     

 体のは、 フタ十点しっかりトメール(冂十丶一)。         

 結のは、 ホッチキス、ジッテンイチ(冂十丶一)。            

 団 子 合唱

 

経 ケイ た・つ へ・る   東書p225 光村p21

 織機(ショッキ、はたおり)のたて糸を表す「圣」と「糸」を組み合わせた字。たて糸が基本、だから地図や地球儀のたての線が経線(横は緯線)。横糸をとおして布がつくられ生活が営まれるようになるので経営、経済。だんだんに布ができていく様子から経過。時間が経(た)つ、時間が経(へ)る。

 ケイ た・つ へ・る

 済のは、 経済は、土、経験し。 ただし八画目ははらう

 度のは、 糸マタツチ(又土)

  経

 

【漢字を使おう 8】

 

幹  カン みき   東書p227 光村p65

 もとの字は「榦」。みきにのぼりを付けた1~10画目までの形と「木」を組み合わせた字。のぼりをささえるのが木のみきなので「木の幹(みき)」を表しました。今は「木」ではなく音を表す「干」。「木の幹」「物事の中心となる物」という意味で使われます。

 

幹 カン みき    

① は、 屋根(𠆢)すなりの皮。             

② 部のは、 ジューヒジュー、ヤネにカン。

 線 

 

 カン な・れる な・らす   東書p227 光村p202

 穴あき銭(穴の開いたお金)にひもを通すことを「貫(カン)」といい、この字は貫(つらぬ)き通す意味があります。この「貫」と心の意味の「忄(りっしんべん)」を組み合わせた字。「貫(つらぬ)き通す心」を表した字。何事でも貫き通せば「なれて」うまく出来るようになるものです。「なれる(習慣)」「ならわし(慣習)」という意味に使います。

 

 カン な・れる な・らす 

① は、 たてて、くフ―ノ一カイとる習慣。

 習のは、 ハボー、くフーノ、イチカイ。

  慣用句

 

検 ケン   東書p227 光村p121 

 人々の意見をよく調べて正しい意見を選ぶことを表した5~12画目と文字を書いた木の札を表した「木」を組み合わせた字。「多くの文章を調べて正しい事実を選び出すこと」を表しました。「調べる」という意味に使われます。 

 

検 ケン       

 査のは、 木わせ、人検査する、オボエタロウ。             

   定のは、 キゴウジン(木合人)。

 検 検

【参考】 「探検」は、危険を伴いますので「探険」と書きたくなりますが 未知の世界に入りこんで探り調べるのが「探検」ですので、木へんの「探検」と書きます。 

 

 チク きず・く   東書p227 光村p167

 竹で打ち鳴らすを表した「筑(チク)」と「木」を組み合わせた字。「筑(チク)」を打ち鳴らすように「木で地面をつき鳴らす」ことを表した字。家をたてるとき、その土地をかためるために木でついて地固めをしますよね。この地固めのことを「木でつく」→「木づく」と言いました。「土台をつくる」「家を建てる」「きずく」意味に使われます。 

 

 チク きず・く     

① は、 に変エ、ボン(凡)までにく城。            

② は、 タケエボンキ(竹エ凡木)。                         

 築 生活を   

 

 コウ   東書p227 光村p85 

 金属の「金」と広い意味の「広」を組み合わせた字。「広い意味での金属」を表します。石炭も炭鉱と言います。

 

 コウ   

 物のは、 山にく埋(う)まってる。                 

② は、 かねひろ。 

③ 石のは、 キンコウ。 

  鉱 

 

  ミャク   東書p227 光村p167 

 二つの川が合流して一つの川になったことを表す5~10画目と肉を表す「月(にくづき)」を組み合わせた字。体の中で一つになったり分かれたりする「血管」を表した字です。「血管(動脈)」「すじのように長く続くもの(山脈)」の意味に使います。 

 

 ミャク    

① は、 月くくく折り重なりし飛騨山脈。               

② は、 月くくく。                              

 脈 

 

 コウ   東書p227 光村p85

 ふねを表す「舟」と抵抗することを表した「亢(コウ)」を組み合わせた字。「川の流れに抵抗しながらも舟を進める」ことを表しました。今は「船を進めること」「飛行機を進めること」の意味に使われます。     

 

 コウ

 路のは、 小さき舟ふたりがて航海す。                   

 海のは、 ノノーフはねててんたてはねる、ふたノて。 

③ 行のは、 ふねコウ(舟亢)。        

 空写真 出

 

【資料を見て 考えたことを話そう】

 

 ヒ つい・やす つい・える   東書p240 光村p211

 二本のぼうに糸がからまった形でもつれを取り払う意味の「弗(フツ)」とお金の意味の「貝」を組み合わせた字。「何かをしたり何かを買ったりするときにしはらうお金」を表した字。「しはらうお金(費用)」「お金を使う(消費)」という意味に使います。

 

 ヒ つい・やす つい・える     

① は、 ユミナガ君、ほタテ二つのカイ費。               

② は、 ユミ、タテタテカーイ。                        

 費 費

 

【漢字を使おう 9】

 

 セキ   東書p245 光村p85

 まゆから糸を取り出す意味の「糸」と責めるいみの「責」を組み合わせた字。昔は「まゆから糸を取り出しよりをかけて紡(つむ)ぐことがとても大切な仕事」でした。次から次に責め立てられるように紡(つむ)ぐ様子を表した字です。今は「仕事」「仕事の成果」の意味に使われます。

 

 セキ   

① は、 いとへん十二の貝を繰り返そう。 

② は、 イトジュウニカイ。                            

 績 

 

設 セツ もう・ける   東書p245 光村p163

 仕事や役目の意味の「殳(るまた)」と「言」を組み合わせた字。「仕事を言いつけること」を表しました。「仕事の手配をすること」「設けるという意味に使われます。  

 

設 セツ もう・ける    

 備のは、 おうルマタ(殳)置せよ。                  

② は、 ゲンルマタ(言殳)。                     

 ける 定     ※ 訓読みの「もうける」はよく試験に出ます。

 

 キョ い・る   東書p245 光村p196

 人がいすにこしかけている形を表した「尸(しかばね)」と音を表す「古(キョ)」を組み合わせた字。「人がすわっている」ことを表した字。「人がすわっている」「いる」「すむ」という意味に使います。  

 

 キョ い・る 

① は、 コノ古い家に転のオボエタロウ。                 

 間のは、 コノこ(古)。                              

③ は、 コノフール(古)。                           

 居 居留守 

 

 コウ あつ・い   東書p245 光村p28

 「厂」は、がんだれ。土地がくずれてがけができるので、書き順は「イチノ(一ノ)」。鳥の雁(ガン)の略字が「厂」、ですから、がんだれ。ただし「雁」の部首は「隹(ふるとり)」。小学校で習う部首ががんだれの字は、「原(2ねん)」と「厚(5年)」の二文字。がけの「厂」と「高」をさかさまにした字を組み合わせた字。高いがけを表しています。高いがけは土が厚く積み重なっていますよね。

 コウ あつ・い

 意のは、 がけかげの子厚着。

 生のは、 一ノ日

 着のは、 がんだれ!日

 い心 

 

 ボウ バク あば・く あば・れる   東書p245 光村p85 

 「日」と供(そな)える意味の「共」と米という字が変化した「氺(したみずの形)」を組み合わせた字。「米を日にさらしてそなえる」という意味の字。今は「人目にさらす」「あばく」「あばれる」「あらあらしい」「度が外れる」という意味に使われます。ここでは「氺(したみずの形)」を「たーてンくー 」と読ませています。最後は止めてね。

 

 ボウ バク あば・く あば・れる 

 力のは、 らす八(ばち)かのたーてンくー。          

 言のは、 ヒーサーイーパーたーてンくー 。                        

 れる 風雨

 

 キョ ゆる・す   東書p245 光村p40

 「言(ごんべん)」と午後の「午」を組み合わせた字。「午」は十二支(じゅうにし)の七番目の「午(うま)」のこと。1日の七番目の時間は「正午」。「正午」を境に、前が「午前」跡が「午後」。また、「午」はもちをつく「午(きね)」の意味もある。「午(うま)」と区別するために今は「杵(きね)」。「杵(きね)を振り下ろしてもいいよと言ってゆるす」のが「許」。

杵と言っても、中国の杵は、両側から二人で持つ形のものらしいです。半分ずつで正午の午になったのかもしれません。

 

 キョ ゆる・す

 可のは、 言ってね、きね(午)振りおろす可の声。   

② は、 ごんべんノイチジュー(ノ一十)。

③ 容のは、 ごんべん後の午。    

 許 許す       

 

可 カ   東書p245 光村p40

 「口」と「丂(コウ)を組み合わせた字。「丂」は「ものが自然にたれ下がる」意味。「可」は「よろしいと自然に口から出る」意味を表します。「よろしい、よい、できる」の意味で使われます。「可」はとにかく書き順に注意しましょう。「イチロー」が先ですよ。

 

可 

① 能のは、 イチロ-(一口)はねぼう可決する。

② 決のは、 イチローが、たてぼうはねてします。

 可 可燃物

 

 シャ あやま・る   東書p245 光村p85 

 矢を発射する意味の「射(シャ)」と言葉の意味の「言(ごんべん)」を組みわせた字。「ことばを発する」意味を表します。「お礼の言葉を言う(感謝)」「おわびの言葉を言う(謝罪)」「ことわりの言葉を言う(謝絶)」「代わる(代謝)」の意味に使われます。

 

 シャ あやま・る 

① は、 感言う長一法師かな。                    

 礼のは、 ゲンシンスン(言身寸)                        

 辞 

【参考】  「感謝」の中国語は「謝謝(シェシェ)」

 

【手塚治虫】

 

 サイ と・る   東書p250 光村p147

 手の意味の「扌(てへん)」と同じく手の意味の「爫」と「木」を組み合わせた字。「木の実をとる」意味の「采(サイ)」にさらに「扌(てへん)」がついた形。取ると同じく「とる」と読みますが、「つみとる」「選びとる」「とりいれる」という意味に使われます。

 

 サイ と・る

① 用のは、 手ノツキ指が痛いよう。野菜がれんよう。

② 択のは、 テノツキ(扌ノツ木)。                     

 昆虫集 

 

 ヒョウ   東書p250 光村p139 

 「公平」の意味の「平(ヘイ)」と言う意味の「言(ゲン)」を組み合わせた字。「公平に言う」という意味を表し、「公平に論ずる」「世間の多くの人々の論(評判)」の意味に使われます。

 

 ヒョウ    

 価のは、 うならば、みな等に価せよ。                    

② は、 タイラ(言平)。                       

③ の評は、 ゲンペイ(言平)。                           

 判 定  

 

  ジュ さず・ける さず・かる   東書p252 光村p166

  物を受け取る(さずかる)ことを表した「受(ジュ)」に「扌(てへん」を組み合わせた字。「受(ジュ)」は「受ける(さずかる)」意味にも「さずける」意味にも使われていましたが、区別したほうが分かりやすいということで、「受」の「扌」を加えて「さずける」専用の字としました。「さずける」という意味に使われます。  

 

 ジュ さず・ける さず・かる    

 業のは、 テヘンノツーワマタ授けるよ。

② は、 ウける(扌に受ける)。                    

 与のは、 テジュ(扌受)。 

 賞 教授 卒業証書与式  ※ 「授賞」の反対は「受賞」

 

 ビ そな・える そな・わる   東書p253 光村p43      

 人を表す「イ」と人がよろいを着たすがたを表した右側のつくりの部分を組み合わせた字。「人がよろいを着て敵にそらえること」「前もって用意しておくこと」「そなえ」という意味に使われます。

 

 ビ そな・える そな・わる

① は、 イザ、一ノ用事すませて準備。

② 蓄のは、 イサイチノヨウ(イサ一ノ用)。                  

 える 

 

 シャ   東書p254 光村p84     

 大きな家を表した字です。「役所や学校の建物」を表しました。 

 

 シャ

① は、 田舎(いなか)ヤネロー。

② は、 ヤネキチ。  ※ 「𠆢」は、「ひとやね、やね」。                          

 宿舎 舎 

 

 エン   東書p255 光村p85

 たくさんの石をつめた袋を飛ばして、大勢の敵をやっつけるしかけの弓を表した「寅(イン)」と水の意味の「氵(さんずい)」を組み合わせた字。石弓を引く「寅(イン)」は、ここでは「水を引く」の意味に使われている。水を田のすみずみに行きわたるようにしますので「広くすみずみまで行きわたる」と言う意味に使われます。

 

 エン 

 奏のは、 ずかにさんじます。  ※ 「寅」は「とら」と読みます。干支(えと)の「とら」ですね。                    

 技のは、 シーウーテイ―ヒーパー(氵宀T日八)              

 演 

 

【漢字を使おう 10】

 

 ゼイ   東書p263 光村p211

 着物を脱ぐ(着ているものを取りのぞく)意味の「兌(ダ)」と稲の意味の「禾(のぎへん)」を組み合わせた字。昔は、税として納める稲を取り入れた稲の中から取りのぞいて別にしておきました。今はお金で納めますよね。「税金」という意味で使われます。 

 

 ゼイ     

 金のは、 キソうなさんも金納めたゼイ。            

② は、 キソうなおさん。                  

③ は、 ノギソアーニー(禾ソ兄)。                          

 の義務 消費税 所得 

 

  ヨ  あま・る あま・す   東書263 光村p123

 家の形の1~3画目の「亼」と十分の意味の「十」と分けることを表した「ハ」を組み合わせた字。「家に十分にあるものを分ける」という意味で「ありあまる」「あまる」「のこる」という意味に使われます。  

 

 ヨ  あま・る あま・す    

 分のは、 やね二小さなりあり。                    

 白のは、 ヤネイチホ(𠆢一ホ)。               

  余り物   

 

素 ソ ス   東書p263 光村p161  

 「生」のもとの字の「」と「糸」を組み合わせた字。「生糸(きいと)」を表した字です。織物のもとは「生糸(きいと)」です。「もと」「ありのまま、かざらない(素直)」「ふだん(平素)」の意味に使います。

 

素 ソ ス    

① は、 十二本、糸を素直に並べます。

   は、 ジュウニイト(十二糸)。                         

 直  

 

 ザイ   東書p263 光村p167

 お金の意味の「貝(カイ)」と将来大きな働きをする力がひそんでいる意味の「才(サイ)」を組み合わせた字。「大きな仕事するためのもとでのお金」を表した字で「資金」「資産」の意味で使われます。  

 

 ザイ  

 政のは、 桜見つける産だ。                      

 力のは、 カイサイ(貝才)。                                       

 文化財 財

 

貯 チョ た・める   東書p263 光村p167

 お金の意味の「貝」と糸をまいてしまっておく道具の形を表した「宁(チョ)」を組み合わせた字。「お金をしまっておく」ことを表した字。「お金をためる(貯金)」「ためる(貯水)」意味に使います。 

 

 

貯 チョ た・める  

 金のは、 タめてウチョウ天だよ、この金。               

 蔵のは、 カイウチョウ(貝ウ丁)。  

 蓄のは、 カイウーティー(貝ウT)。    

 水池

 

 フ ぬの   東書p263 光村p152

 「敷き布(しきふ)」を表した字。今は「敷(し)く(布陣)」という意味、また「布(ぬの)」という意味に使われます。

 

 フ ぬの  

① は、 かさ(巾)製破れ傘。                 

② は、 ノーイーキン(ノー一ー巾)。

③ 団のは、 ノイチ(ノ一)ごのハバ(巾)。                      

 布 布地 

 

【わたしの文章見本帳】

 

告 コク つ・げる   東書p265 光村p47

 

 昔は、大事なことは神に「牛」をささげてから人々に告(つ)げました。「牛」とつげる、知らせるの意味の「口」を組み合わせた字です。「告げる」「知らせる」の意味に使われます。

 

告 コク つ・げる  

① 知のは、 「ノー、ドローはいやや」とげました。

② は、 ノドロ(ノ土ロ)。

③ 白のは、 ノドグチ(ノ土口)。

 げる 

 

 ム つと・める つと・まる   東書p266 光村p212

 武器のほこを表した「矛(ム)」と武器を手にもった形の「攵(のぶん)」と努力の「力」を組み合わせた字。昔、成人した男性は矛(ほこ)を手にして国の守りにつくという「つとめ」がありました。その「つとめ」を表した字。「つとめ(義務)」「仕事」「つとめる」という意味に使います。

  

 ム つと・める つと・まる     

① は、 マア、ノノブン、力を込めて事するよ。

② は、 マアノ、ノブンリキ(マアノ攵力)。                 

 委員をめる 職

 

 

さて、この「漢字音読集」を活用して漢字は次のように覚えましょう。

「漢字音読集」とは、青い字のアンダーラインの部分です。ここを繰り返し音読します。

は覚え方の例です。覚えやすい方を覚えるといいでしょう。

覚え方は書き順どおりになっています。(ちがう場合はただし書きあり。)

先生方、保護者の皆様、コピー加除訂正等をして、使いやすように加工してください。 

2024.10.24 Thursday