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若く美しい女性のはにかみ 20240403
若く美しい女性のはにかみ 20240403
4月1日を迎えた。
昨日までジーンズをはいていた若者は
黒いスーツに身を包み 新しいステージへと歩みを進め
昨日までネクタイをしていた老人は
ジーパンと帽子を被り 畑というステージに降り立つ
昨日、45年間の教員人生にピリオドを打った。
4月のカレンダーには白い余白でいっぱいだ。
あるのは病院の予定が二つ三つ。
今日からは終活まっしぐらだ。
呆け封じにブログはどうかと考えた。
タイトルは芭蕉の「奥の細道」をもじって「老いの細道」。
我ながらよきタイトルと自画自賛する。
このブログで、俳句もどき、教育のこと、日々のセレンディピティー、美への賛辞、世相の風刺、ダジャレ道の追求、などを発信し、細く長い道を歩んでいきたいと考えたわけである。
必ずやって来る人生のピリオドまで、管見をご披露申し上げたい。
どうか皆さんの目にとまり、小さくてもいい明日への灯りを点すことができれば望外の幸せである。
目と声が寅さんとなる春日和
先ずは、今日4月1日のセレンディピティー。
午後「そうだ、桜を見よう」と思って歩き出した。母校の前の桜土手。
しかし、去年とは違って今年は遅い。まだ早いところで五分咲き程度だ。
それでも10枚ほど写真を撮った。
40分ほど歩いた帰路の途中のことだった。
角を曲がると、とあるマンションの駐車場の中に、若く美しき女性がワシの方を見ているような気がした。
少し近づくと、嘘ではない、ワシの方をしっかりと見ているではないか。
春風に撫でられ彼女の髪が揺れている。
ワシ好みだ。ワシの目は寅さんのように動いた。
若く美しい女性は、ニコッと微笑みながら、それでいて、どこかワシに助けを求めているようにはにかんで見つめるのだ。
「あのう、すみません。」
「どうしたの?」
声が寅さんになっている。ここで春の恋でも始まるか・・・・。
お茶の誘いだったらどうしよう・・・
「あのう。」
若き美しい女性は、車のドアを半開きにして言った。
「カメムシ、取ってくださ~い。」
夢、儚くも消え去った。
見ると、ハンドルの下の足もと付近にカメムシ様が鎮座しておられるではないか。
「いいでしょう、おやすいご用です。このティッシュお借りしますね。」
ワシは、カメムシ様をティッシュで包み、一瞬にして脚にてあの世に送り出し、その骸をティッシュで包み手に持った。
「お嬢さん、この田舎で暮らすには、カメムシに慣れないといけないよ。」
完全に寅さんになっている。ワシはティッシュを下げてその場を離れた。
後には、爽やかなにおいが残っていた。
Today is the first day of the rest of your life
今日という日は残りの人生の第1日目